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 公開日:2016年2月24日 

福島の甲状腺がんの75%は放射線原因→矢ヶ崎克馬名誉教授

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授
琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬

■福島の甲状腺がんの75%は放射線原因

―政府は小児甲状腺がん検診を全日本で即刻実施せよ!―
<目 次>
1.放射能原因を認め国東電は対処を
2.化学的作用と物理的作用の発生率の違い
3.9月30日現在の福島小児甲状腺がん
4.男女比
5.75%は放射線が原因である
6.放射能公害のもとに「ぬち(命)どぅ宝」を

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1.放射能原因を認め国東電は対処を

福島県内の18歳以下の小児甲状腺がんの科学的分析については統計的な手法で津田敏秀氏らの論文がある。※1津田敏秀氏らは4年の潜伏期間を仮定して3.11による過剰発生(すなわち放射能原因)が認められ、スクリーニング効果ではないことが判明したとしている。

物理的な手法では松崎道幸氏が福島で生じた甲状腺がんの男女比がチェルノブイリの甲状腺がん同様、自然発生の比率より小さくなっていること、および、医療被曝起因による甲状腺がんの発生は男女比はほとんどなく1に近いという事実により、自然発生ではありえないことを示した。

以上2つの科学的研究は十分に福島甲状腺がんの発生は放射線によることを示すものである。

これに対して福島県の県民健康調査検討委員会は「放射線起因とは認められていない」と繰り返し、具体的化学的根拠は示していない。本論は物理的考察により、放射線起因を主原因としなければ、福島の甲状腺がん多発の説明はつかないことを説く。

このことは次の行政的施策を速やかに実施する必要を提起する。

(1)津田敏秀氏、松崎道幸氏及び多数の方の指摘する通り、小児甲状腺がんはチェルノブイリ事故をはるかに上回る早期多発であり、政府および福島県は率直に放射線原因を認め、医療的な補償と予防医学的な措置を全面的に実施すること。

(2)放射線被曝は福島に限定されていない。政府の責任において、全国にわたって、甲状腺の検診を行い検出されていない甲状腺がんの危険から子どもたちを守ること。

(3)甲状腺がんは氷山の一角であり、あらゆる健康被害が放射線被曝により引き起こされている可能性がある。政府の責任において誠実な予防医学的防護を実施することが必要である。

2.化学的作用と物理的作用の発生率の違い

本稿では、松崎道幸氏の着眼に科学的考察を及ぼし、放射線起因説を鮮明にする。

化学的起因とは?
自然状態(放射線被曝を無視できる状態)に於いて、甲状腺がんの発生は20歳~50歳の女性に多く、男性より5倍ほども多いとされる。甲状腺ホルモンに女性ホルモンが関与して化学的作用によりDNAが切断され、修復過程で異常編成を生じがんに至るものと推察する。この男女比は自然発生の比率として現れる。
放射線起因とは?
これに対し被曝が関与してのがん発生は放射線電離によるDNA切断が生じることが起因する。切断されたDNAの修復過程で異常DNAが生じ、その細胞が生き残って増殖すると考えられる。

被曝による発がんで男女差が生じるだろうか?放射線被曝により男女差が生じる場合の原因と考えられる要因は、甲状腺の物理的大きさが違う場合が挙げられる。

外部被曝の場合どれだけたくさんの放射線が甲状腺にヒットするかは、その密度と体積、すなわち一般的には質量に依存する。密度に男女差はないとして、その体積は体格の大きい方が甲状腺も大きいと考えられる。同年齢ならば男性の方が大きいかもしれない(年齢による)。医療被曝の場合、男性の方が高い比率で発がんするデータもあるようである。ここでは、考察を単純化するために、大きさに男女差はないと仮定しよう。

内部被曝の場合は体内に入ったヨウ素131などがどれほど甲状腺に集中するかが関与する。同じ放射性ヨウ素の体内濃度ならば収集能力が高い方がたくさん甲状腺に集中し、発がん率も多くなると仮定できる。寡聞にして甲状腺への収集能力の男女比についての知識が無い。ここでは男女差はないとしよう。

そうすると放射線起因の甲状腺がんの男女比は1であると仮定できる。このような目で福島県内甲状腺がんの発生を分析する。

3.9月30日現在の福島小児甲状腺がん

2015年9月30日時点での小児甲状腺がんの発生は下の一覧表のとおりである。
甲状腺がんの発生数(2015年9月30日現在)

今度は甲状腺がん発生数の年齢依存をグラフにしてみよう。
甲状腺がんの発生数グラフ(2015年9月30日現在)
13歳と17歳に男女ともにピークがあるように見受けられる。また年齢が増加すると発生数も多くなる傾向にある。

4.男女比

松崎道幸氏の年齢群設定に倣って2つの年齢群…年齢群1(6~14歳)、年齢群2(15~18歳)に分ける。※2
年齢群1(6~14歳)、年齢群2(15~18歳)の分類

男児 女児
年齢群1(6~14歳) 23人 44人
年齢群2(15~18歳) 31人 54人

今度はグラフにしてみよう。
年齢群ごとのがん発生数
いずれの群でも男性より女性の方が多く、年齢の上の群、すなわち年齢群2(15~18歳)の方が多い。年齢群1(6~14歳)は9歳にわたる年齢層を含むが、年齢群2(15~18歳)は4歳の年齢層を含むだけだから、各群ごとに年齢毎の平均を取るとおよそ年齢群2(15~18歳)が2.9倍発生数が多いことになる。

同じく松崎道幸氏に倣って自然発生の甲状腺がんの発生男女比を両群ともに4.3とした。以上の規準により群別の男女比を計算した。

下記に福島県内の甲状腺がん発生数の男女比を示す。男女比年齢群1(6~14歳)では1.91年齢群2(15~18歳)では1.74となる。
男女比
年齢群1(6~14歳) 1.91
年齢群2(15~18歳) 1.74

さらに男女比をグラフで表してみよう。
年齢群ごとの男女比
男女比年齢群1(6~14歳)の方が大きい。

5.75%は放射線が原因である

この男女比は歴然として自然発生の男女比4.3の半分以下であることを指摘する。この福島の男女比を与えている原因として仮説に述べた2要素化学的起因放射線起因を考慮してホルモンによる自然起因割合と放射線の起因割合(化学作用と放射線作用の比率)を考察してみよう。

化学的起因とは?
自然状態(放射線被曝を無視できる状態)に於いて、甲状腺がんの発生は20歳~50歳の女性に多く、男性より5倍ほども多いとされる。甲状腺ホルモンに女性ホルモンが関与して化学的作用によりDNAが切断され、修復過程で異常編成を生じがんに至るものと推察する。この男女比は自然発生の比率として現れる。
放射線起因とは?
これに対し被曝が関与してのがん発生は放射線電離によるDNA切断が生じることが起因する。切断されたDNAの修復過程で異常DNAが生じ、その細胞が生き残って増殖すると考えられる。

もし完全に放射線起因だけを考えると、その男女比は1である。この場合を年齢群1(6~14歳)ついて考えると男性罹患数23人を基礎に考察すると女性も23人となるはずである。また、自然発生だけを原因として考えると男女比は4.3であるから、女性罹患数は98人(23人x4.3=98.9)になるはずである。福島の年齢群1(6~14歳)の女性罹患数は44人であるので、これを与える科学原因と放射性原因の割合はどれほどになるだろう?
放射線原因割合

これを計算した値が放射線原因割合である。
放射線原因割合
年齢群1(6~14歳) 0.73
年齢群2(15~18歳) 0.77

年齢群1(6~14歳)で73%、年齢群2(15~18歳)で77%。実に原因の4分の3が放射線被ばくによる(放射線原因割合3:化学的起因1)と判断できる。この計算は二通りに解釈できる。

その1は完全に放射線原因割合による患者が3人に対し完全に自然発生の化学的起因の患者が1人。

その2は各発がん者毎に放射線原因割合と化学的起因を擁し、その合併した結果として発がんする。その放射線原因割合と化学的起因割りがおよそ3:1である。現実は解釈2によるものである。

以上の考察により、松崎道幸氏の指摘している男女比が自然発生比率を下回ることが放射線被曝によって生じているという指摘は論理的にも正当であることが証明された。

単純計算では福島の甲状腺がんの原因のおよそ75%は放射線原因である。

結 論
福島の甲状腺がんの原因のおよそ75%は放射線原因である。

6.放射能公害のもとに「ぬち(命)どぅ宝」を

放射性物質の噴出量がチェルノブイリの2~4倍(政府発表は6分の1)、5年後の今も放出し続ける汚染粉塵と汚染水(チェルノブイリは3か月後には放出停止)、小児甲状腺がんのチェルノブイリをはるかに上回る早期大量発生等の事態を見るだけで、歴史上かってない放射能公害が進展していると判断するのが自然体の素直な見方である。

それに対して政府の安全論の大合唱とさながらの言論抑圧(放射能関連情報抑制)、法律に定められた規制値を20倍も上回る住民保護基準吊り上げ、強制帰還と避難者保護打ち切り等々が進んでいる。

原爆被爆者の健康被害は70年後に至って最近特に、日本平均を上回って発がん率が増加しつつある。放射性セシウムの放出量は広島原爆の170倍程度とされていますが、実態は1000倍以上とされます。チェルノブイリの被害の全容は恐るべき健康被害を記録する。これらの健康被害は全て深刻な警告である。

あまりにも無警戒な、否、放射線被曝を抑圧する日本政府および国際原子力ムラによる統制された日本社会。日本人を襲う放射能被害の警告と対策を発すべきだ。汚染地域も汚染が低い地域も一様に「命を大切にしよう」「ぬちどぅたから:命こそ宝」を合言葉に放射線被ばく抑制の枠組みを取り払うことが必要である。

事故から5年目、遅きに失した公的被曝防護も多々あろう。しかし、決して今からでも遅くない。
力を合わせましょう。

東電・政治・行政・社会は全力をあげ責任もって対処することを望む。

※1(Tsuda et al. Epidemiology 2015 Oct. 5)
※2(Shirahige et al.:Endcrine journal 1998 45(2) 203-209)

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