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 公開日:2017年8月6日 

「72回目の広島、長崎の原爆の日に寄せて」矢ヶ崎克馬名誉教授

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授
琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬

8月6日は広島、8月9日は長崎の72回目の原爆の日。今、核兵器完全廃絶を求める市民社会と各国政府は新たな歴史的一歩を踏み出そうとしている。

人類史上初めて核兵器を違法化する「核兵器の開発、実験、製造、備蓄、移譲、使用及び威嚇としての使用の禁止ならびにその廃絶に関する条約」が7月7日、国連本部で122カ国の賛成で採択された。反対1、保留1。

1946年1月、大戦後結成された国連の総会決議第1号は、「核兵器および大量破壊兵器の廃絶を目指す」だった。決議に反して核兵器開発競争が展開された。しかし今や核非保有国、戦後独立した加盟国と市民社会が主導し「核兵器禁止条約」を結実させたのだ。

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武力主義、核抑止力に固執する核兵器保有国とその同盟国は「核兵器禁止条約」に背を向け会議をボイコットした。唯一の戦争被爆国・安倍内閣日本もその一員だ。核兵器を完全廃絶させるには核保有国を条約へ参加させること。とりわけ唯一の戦争被爆国日本の参加は歴史的人道的責務がある。日本市民社会の責務は重い。

今までの核独占・不拡散体制を国際的枠組み化してきたのは「核拡散防止条約」。1963年に国連で採択された。核兵器保有国は非保有国に対する軍事的優位の維持を前提に、核兵器の削減に加え、核拡散を抑止することを目的とした。

「核拡散防止条約」は核支配にもう一つの顔を持つ。原子力平和利用:事実上の原発推進を「すべての締約国の奪い得ない権利」とし、「技術的情報を可能な最大限度まで交換」と国際協力を義務付けている(同条約第4条)。

平和利用と称して、商業原発は核の支配体制を補完するものとして導入されたのである。

安保理の直轄委員会として位置づけられる「国際原子力機関」が原発産業の利益を代弁してチェルノブイリ・福島の原発事故処理に深く関与しコントロ―している由縁だ。

残念ながらこの7月に制定された「核兵器禁止条約」「前文」には「本条約は、締約諸国が一切の差別なく平和目的での核エネルギーの研究と生産、使用を進めるという譲れない権利に悪影響を及ぼすとは解釈されないことを強調。」と記述されている。原発の商業的利用によって度重なる事故による重大な放射能環境汚染・健康影響が出ていること、並びにその導入が核兵器戦略を補強する目的であったことにかんがみ、道理を重んじ平和を追求する諸国は、商業原発を禁止し、他の核エネルギーの平和的研究と明確に区別すべきだ。

国際市民社会は原発の廃絶を、核兵器の廃絶と共に主張すべきだ。

同じく1963年には、「部分的核実験禁止条約」が締結された。広島長崎に原爆が投下されて以来ビキニ水爆実験をはじめとする500回に及ぶ大気圏内核実験が行われたのだ。

1963年には海の放射能汚染が戦前の1000倍に達した。※1

汚染はその後徐々に減少を続けたが、東電福島原発事故後の2015年11月には米国西海岸沖で歴史上最大汚染値に匹敵する汚染が確認された。※2

太平洋全域のみならず東シナ海も日本海も福島原発事故による汚染が全面的に広がる。

安倍晋三政権と東電は今もメルトダウン炉心を封じ込めることをせず、空に海に放射能汚染を拡散しっぱなしだ。

放射能から市民を守らず、食べて応援、風評被害、アンダーコントロール。

原子力緊急事態宣言の下に原発再稼働。

これらは無責任と虚言がメルトダウンしたものだ。

被爆者と核被害者は多数が亡くなり、容認しがたい苦難と損害を受けてきた。実は被害は全人類に及ぶ。核被害を隠す米国(最大協力者日本政府)等による「知られざる核戦争」が猛威を振るう。欧州放射線リスク委員会は戦後核の犠牲者は世界で7000万人以上とする。放射能は免疫力を下げ体力を削ぐ。

がんの増加(総がん死亡率は終戦時の約6倍、肺がんは約20倍)だけでなく、ほとんどあらゆる病気の患者を増やし、症状を悪化させ、闘病者を死に至らしめる。沖縄でも、老衰、認知症、アルツハイマー等の死亡年率が2011年以降急増した。※3

今も放射能汚染食品による内部被曝の犠牲者が出ている。

チェルノブイリの経験からは今後さらに多数の疾患の患者・死亡者の急増が予測される。市民が、特に弱者の、命を守るためには毎日の食が核戦争なのだ。

政府・行政は「放射能公害」から市民の命を守ることを義務とする。立憲主義国家ならば当然のことだ。

市民の方々は毎日の食事からの内部被曝を「自己責任」として自ら避けてほしい!

被曝犠牲者をなくし、核兵器と共に原発を全廃することこそ今を生きる市民の責務だ。

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※1広瀬克己、青山道夫(気象研究所)の「放射能環境雑誌」論文:J Environ Radioact. 2003;69(1-2):53-60
※2米国エネルギー情報誌ENENews、2015年12月3日
※3厚労省人口動態統計-死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率
※3(関連)琉球新報2017年3月9日文化欄「命・人権脅かす原子力公害」

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