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 公開日:2014年4月30日 

出荷制限されていない海産物は安全?放射能汚染は?矢ヶ崎克馬教授

質問(質問者:茨城県/40代/公務員)
放射能で汚染された水や地下水が太平洋に流失している話が毎日のように報道されています。実際2014年4月現在、福島県、宮城県、岩手県、茨城県の海産物の一部に出荷制限がかかっていると思いますけれども、その一部を除けば安全と考えてよろしいでしょうか。

回答(回答者:矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授)
矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

安全ではありません。下記が厚生労働省が発表している出荷制限※1ですが、海産物の一部から国の基準値を超える放射性物質が検出され出荷制限されているということは、あくまで氷山の一角で、その背後には放射能汚染が海に広がってしまっている実情があります。その実情から考えると、出荷制限されている海産物以外で、放射能検査されないまま市場に流通してしまっている可能性もありうるわけです。

日本海産物出荷制限一覧
2014年5月厚生労働省発表は3県以上、黄色は2県で出荷制限
岩手県スズキ クロダイ
宮城県スズキ クロダイ
茨城県スズキ コモンカスベ シロメバル マダラ イシガレイ ヒラメ
福島県スズキ コモンカスベ シロメバル マダラ イシガレイ ヒラメ クロダイ
アイナメ、アカシタビラメ、イカナゴ(稚魚を除く)、ウスメバル、ウミタナゴ、エゾイソアイナメ、カサゴ、キツネメバル、クロウシノシタ、クロソイ、ケムシカジカ、サクラマス、サブロウ、ショウサイフグ、ナガツカ、ニベ、ヌマガレイ、ババガレイ、ヒガンフグ、ホウボウ、ホシガレイ、ホシザメ、マアナゴ、マコガレイ、マゴチ、マツカワ、ムシガレイ、ムラソイ、メイタガレイ、ユメカサゴ、ビノスガイ、キタムラサキウニ、サヨリ

太平洋の放射能汚染について非常に丁寧にモニターしている、ASRという国際的な海洋調査会社※2があって、この地図(2012年3月現在)で見ると放射能汚染は太平洋を東(右方向→)へと進んでいます。
ASR太平洋放射能汚染地図

なぜこのような汚染分布となるのか?下の地図をご覧下さい。日本列島の太平洋側では、北からは親潮。南からは黒潮が来ておりますが、流れとしては黒潮のほうが非常に勢いがあります。この親潮黒潮が千葉県沖で合流して太平洋を東に向かってぐっと押し出ていく北太平洋海流となります。※3それで放射能汚染も同じように太平洋を東へと進んでいるのです。
黒潮と親潮

ところで赤い放射能汚染の濃い海域は北海道の太平洋側と千葉県沿岸の間に存在しています。
ASR太平洋放射能汚染地図
つまり太平洋を東へと進み広がっていく放射能汚染とは別に、海岸に沿って平行して流れる沿岸流などにより赤い放射能汚染の濃い海域に閉じ込められてしまっている放射能汚染があると考えられます。

消費者の視点で、放射能汚染から自分の健康を守ろうとするならば放射能汚染された海域で獲れた魚介類は食べないほうがいいです。これが健康を守る上での鉄則だと思います。

それから太平洋を東へと進み広がっていく放射能汚染について補足説明します。放射能に汚染された水の塊は、そう簡単には拡散していかずに、ある程度の塊のままアメリカの西海岸に行くんです。

2011年8月にアメリカの西海岸でとれた回遊魚であるマグロから、福島原発事故由来の放射性セシウム137が検出されたことをスタンフォード大学の研究者がすでに発表している※4。

この海流はアメリカ西海岸からさらに南下して、北赤道海流に乗り再び沖縄の黒潮につながっていくという流れになっている。

このように太平洋の海流全体を考えると沖縄の魚介類も放射能検査をしないまま、いつまでも安全だとは言っていられない。

日本で獲れた魚介類は放射能の検査を必ず全品して、その検査結果の数値を記載して流通にかけるということが必要になってきます。

編集後記
上で矢ヶ崎克馬名誉教授がご紹介していたASR社の太平洋放射能汚染地図は日本近海をピックアップしたものでしたが、じゃあ太平洋全体はどうなっていたかというと…
ASR太平洋放射能汚染マップ(広域)
ASR社の太平洋放射能汚染地図については最新の地図が、この2012年3月版で…それ以後の発表がありません。しかし今も、放射能汚染水の太平洋への拡散は進行中です。

福島第一原発事故による放射能汚染水のアメリカ西海岸への大規模な到達は今年2014年と予測する学者も多く、それを見こして2013年12月6日アメリカ西海岸にある地方自治体フェアファックスは、沿岸で獲れた魚介類対する放射能検査を強化する決議案を可決しています。※5

矢ヶ崎克馬名誉教授ご指摘のように回遊魚については2011年8月にすでに、アメリカの西海岸でとれたマグロから福島原発事故由来の放射性セシウム137が検出されちゃってますから、日本の地方自治体は沖縄県も含めて放射能検査体制のより一層の強化が必要と考えられます。

それから2013年9月8日。2020年夏季オリンピックの開催地を決めるためアルゼンチンの首都ブエノスアイレスで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)総会の最終プレゼンテーションの際、記者の質問に答える形で飛び出した安倍晋三首相の問題発言「(福島第一原発からの放射能汚染水の流出は)結論から言って全く問題ない。事実を見てほしい。汚染水による影響は福島第1原発の港湾内の0.3km2の範囲内で完全にブロックされている」がありましたが。

この問題発言を打ち消す形で2013年10月7日。国会の参議院経済産業委員会の閉会中審査において東京電力の廣瀬直己社長が完全にブロックどころか「海洋への放射性物質の放出は、放射性セシウムだけで一日当たり最大で約200億ベクレル」流出しているという趣旨の発言をしています。※6

そして、この福島第一原発の上空写真の右上の赤い矢印を見ていただくとわかる通り、福島第一原発の港湾は太平洋へ向かって開きっぱなしです。
福島第一原発の港湾(上空写真)
つまり全然ブロックできていない。太平洋への流失は今も続いているのです。

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※1http://www.mhlw.go.jp/shinsai_jouhou/shokuhin.html
※2http://www.asrltd.com/japan/plume.php
※3http://imagic.qee.jp/kairyuu.gif
※4http://online.wsj.com/news/articles/SB10001424052702303395604577432452114613564?mg=reno64-wsj&url=http%3A%2F%2Fonline.wsj.com%2Farticle%2FSB10001424052702303395604577432452114613564.html
※5http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N0G8OW6KLVS301.html
※6http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/184/0063/18410070063001a.html

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