男女のがんになった比率の都道府県ランキングと日本地図の比較動画

2019年1月17日、厚生労働省は全国がん登録に基づく集計により2016年に日本全国で新たに延べ99万5132人ががんと診断されたと発表しました。※1

そこで今回は、新たにがんと診断されたのは何あるか?を人口10万人当たりの比率であらわした罹患率(りかんりつ)のデータを47都道府県別に分類してランキングや地図化にして地域格差と男女の差がどの程度存在するか?明らかにしたいと思います。

ちなみに人口10万人当たり新たにがんと診断された場合の罹患率の単位が…なぜ何でなく何かと言えば1人で複数のがんにかかるケースでは1で2、3となる場合も存在するためです。

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がんと診断された比率が少ない都道府県【女性編】

まず大前提として男性より女性の方が新たにがんになる比率は少ないです。

ですので新たにがんと診断された比率が少ない都道府県ランキングの女性編から見ていきましょう。

人口10万人当たりで新たにがんと診断されたのは何例あるか?を少ない順に…いわゆる罹患率が少ない順に47都道府県を並べてみました。色分けは下記の通りです。

がんの診断が50例増えるごとに色が変わります。

…10万人中501~550例が発病
…10万人中451~500例が発病
…10万人中401~450例が発病
…10万人中351~400例が発病
…10万人中301~350例が発病

がんと診断された比率が少ない都道府県ランキングと日本地図の女性編

新たにがんと診断された比率が女性でもっとも少なかった1位は愛知県、2位は山口県、3位は群馬県と続きます。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング女性編
順位 都道府県 罹患率
1位 愛知 321.9
2位 山口 327.2
3位 群馬 328.3
4位 山形 330.9
5位 岡山 331.2
6位 長野 331.4
7位 沖縄 332.7
8位 栃木 333.8
9位 静岡 335
10位 島根 336.8
11位 茨城 336.9
12位 福島 337.2
13位 石川 340.1
14位 岩手 341.8
15位 三重 343.2
16位 岐阜 343.8
17位 徳島 344
18位 福井 344.5
19位 宮城 346
20位 山梨 346.2
21位 鳥取 346.7
22位 奈良 348.9
23位 滋賀 349.2
24位 広島 349.5
25位 千葉 350.3
26位 富山 351.6
27位 和歌山 352.2
28位 埼玉 352.6
29位 鹿児島 356.4
30位 兵庫 356.8
31位 新潟 357.1
32位 高知 358.2
33位 大阪 358.8
34位 大分 360.5
35位 神奈川 361
36位 愛媛 365.1
37位 青森 366.1
38位 東京 366.4
39位 京都 367.6
40位 佐賀 371.8
41位 福岡 374.7
42位 香川 377.8
43位 北海道 378.6
44位 秋田 381.2
45位 宮崎 394.7
46位 長崎 397.6
47位 熊本 406.9

新たにがんと診断された比率が女性でもっとも多かった1位は熊本県、2位は長崎県、3位は宮崎県と続きます。

がんと診断された比率が少ない都道府県【男性編】

続いて新たにがんと診断された比率が少ない都道府県ランキングの男性編から見ていきましょう。

人口10万人当たりで新たにがんと診断されたのは何例あるか?を少ない順に…いわゆる罹患率が少ない順に47都道府県を並べてみました。色分けは下記の通りです。

がんの診断が50例増えるごとに色が変わります。

…10万人中501~550例が発病
…10万人中451~500例が発病
…10万人中401~450例が発病
…10万人中351~400例が発病
…10万人中301~350例が発病

新たにがんと診断された比率が男性でもっとも少なかった1位は沖縄県、2位は長野県、3位は群馬県と続きます。

がんと診断された比率が少ない都道府県ランキングと日本地図の男性編

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング男性編
順位 都道府県 罹患率
1位 沖縄 390.4
2位 長野 418.9
3位 群馬 429.4
4位 愛知 429.7
5位 大分 436.4
6位 静岡 439.4
7位 栃木 439.5
8位 熊本 443.2
9位 徳島 449.2
10位 茨城 450
11位 岐阜 450.3
12位 山梨 452
13位 三重 454.9
14位 福井 456.3
15位 岩手 457.3
16位 福島 458.6
16位 岡山 458.6
18位 宮城 460.9
19位 神奈川 461.2
20位 埼玉 461.5
21位 鹿児島 462
22位 千葉 467.3
23位 東京 467.9
24位 富山 473.2
25位 宮崎 476.2
26位 山形 477.2
27位 広島 477.7
28位 石川 479.9
29位 滋賀 482
30位 奈良 485.7
31位 高知 487.5
32位 大阪 487.6
33位 山口 489.3
34位 兵庫 489.8
35位 京都 490.8
36位 佐賀 491.1
37位 福岡 491.7
38位 和歌山 499.4
39位 新潟 502.3
40位 北海道 503.2
41位 青森 506.5
42位 愛媛 511
43位 島根 512.7
44位 香川 514.8
45位 鳥取 522.3
46位 秋田 539.3
47位 長崎 540.5

新たにがんと診断された比率が男性でもっとも多かった1位は長崎県、2位は秋田県、3位は鳥取県と続きます。

がんと診断された比率が少ない都道府県【男女合算】

続いて新たにがんと診断された比率が少ない都道府県ランキングのを合算した総数編を見ていきましょう。

人口10万人当たりで新たにがんと診断されたのは何例あるか?を少ない順に…いわゆる罹患率が少ない順に47都道府県を並べてみました。色分けは下記の通りです。

がんの診断が50例増えるごとに色が変わります。

…10万人中501~550例が発病
…10万人中451~500例が発病
…10万人中401~450例が発病
…10万人中351~400例が発病
…10万人中301~350例が発病

新たにがんと診断された比率がもっとも少なかった1位は沖縄県、2位は愛知県、3位は長野県と続きます。

がんになった比率が少ない都道府県ランキングと日本地図の男女総数編

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング総数編
順位 都道府県 罹患率
1位 沖縄 356.3
2位 愛知 367.5
3位 長野 367.6
4位 群馬 370.4
5位 静岡 378.5
6位 栃木 378.8
7位 岡山 384.8
8位 茨城 385.5
9位 徳島 386.9
10位 大分 388.2
11位 岩手 388.3
12位 岐阜 388.6
13位 福島 388.8
14位 三重 389.6
15位 山梨 390.1
16位 福井 392.4
17位 山形 394.3
18位 宮城 394.5
18位 山口 394.5
20位 埼玉 398.8
21位 石川 398.9
22位 鹿児島 399.8
23位 富山 400.7
24位 千葉 400.8
25位 神奈川 402.3
26位 広島 403.4
27位 東京 406.9
28位 滋賀 407.2
29位 奈良 408.3
30位 高知 410.5
31位 島根 412.3
32位 大阪 413.1
33位 兵庫 413.3
34位 和歌山 414.7
35位 熊本 416.9
36位 新潟 418.2
37位 京都 418.4
38位 佐賀 419.2
39位 福岡 420.4
40位 青森 420.9
41位 鳥取 422.3
42位 愛媛 425.3
43位 宮崎 426.4
44位 北海道 428.2
45位 香川 436.7
46位 秋田 446.3
47位 長崎 454.9

新たにがんと診断された比率がもっとも多かった1位は長崎県、2位は秋田県、3位は香川県と続きます。

ところで、ここまで新たにがんと診断された比率の女性編男性編総数編と3つのランキングを見てきましたが、おもに大手新聞社などが報道している総数のランキングだと、せっかく男女別に現れた傾向が…ぼやけてしまうのに気付いた方もいるかもしれません。

たとえば総数編ランキングの18位は宮城県と山口県で罹患率も同じ394.5でした。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング総数編
順位 都道府県 罹患率
18位 宮城 394.5
18位 山口 394.5

しかし男女別に分類した場合、同じ18位でも宮城県と山口県では傾向がまったく違いました。見てみましょう。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング罹患率
都道府県
18位 宮城 460.9 346
18位 山口 489.3 327.2

罹患率のままですと分かりにくいので今度は男女それぞれ順位に注目して分類してみましょう。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング順位
都道府県
18位 宮城 18位 19位
18位 山口 33位 2位

男女を合算した総数で同じ18位の宮城県と山口県。まず宮城県は男性18位、女性19位です。

それに対して山口県の女性は全国で2番目に罹患率が少ない2位、逆に男性は33位と新たにがんになる人が多く…男女平均化されることで男女を合算した総数で18位になっていることがわかります。

このように男女の結果が大きく乖離(かいり)した都道府県もありますので、それを分かりやすくするため男女別の順位に注目してランキングを並べてみます。

がんの診断が50例増えるごとに色が変わります。

…10万人中501~550例が発病
…10万人中451~500例が発病
…10万人中401~450例が発病
…10万人中351~400例が発病
…10万人中301~350例が発病

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング順位
都道府県
1位 沖縄 1位 7位
2位 愛知 4位 1位
3位 長野 2位 6位
4位 群馬 3位 3位
5位 静岡 6位 9位
6位 栃木 7位 8位
7位 岡山 16位 5位
8位 茨城 10位 11位
9位 徳島 9位 17位
10位 大分 5位 34位
11位 岩手 15位 14位
12位 岐阜 11位 16位
13位 福島 16位 12位
14位 三重 13位 15位
15位 山梨 12位 20位
16位 福井 14位 18位
17位 山形 26位 4位
18位 宮城 18位 19位
18位 山口 33位 2位
20位 埼玉 20位 28位
21位 石川 28位 13位
22位 鹿児島 21位 29位
23位 富山 24位 26位
24位 千葉 22位 25位
25位 神奈川 19位 35位
26位 広島 27位 24位
27位 東京 23位 38位
28位 滋賀 29位 23位
29位 奈良 30位 22位
30位 高知 31位 32位
31位 島根 43位 10位
32位 大阪 32位 33位
33位 兵庫 34位 30位
34位 和歌山 38位 27位
35位 熊本 8位 47位
36位 新潟 39位 31位
37位 京都 35位 39位
38位 佐賀 36位 40位
39位 福岡 37位 41位
40位 青森 41位 37位
41位 鳥取 45位 21位
42位 愛媛 42位 36位
43位 宮崎 25位 45位
44位 北海道 40位 43位
45位 香川 44位 42位
46位 秋田 46位 44位
47位 長崎 47位 46位
都道府県

ところで色の違いに着目すると同じ都道府県でも男女で新たにがんと診断される数は全然違うんだな…ということがわかります。

gif動画地図でみると分かりやすいかもしれません。男女で同じ色に分類さられた都道府県は1県だけあります。わかりましたか?

男女のがんになった比率の都道府県ランキングと日本地図の比較動画

答え、熊本県です。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング順位
都道府県
35位 熊本 8位 47位

つまり熊本県以外の都道府県ではがんと診断される数に男女でがあるということです。

今度は、その男女のを確認してみましょう。

そのために47都道府県をさらに男女別に2つに分けます。例えば東京は東京(女性)と東京(男性)に分けます。つまり…。

47×2=94

94に分類して新たにがんになる比率が少ない順に並べてみます。

…10万人中501~550例が発病
…10万人中451~500例が発病
…10万人中401~450例が発病
…10万人中351~400例が発病
…10万人中301~350例が発病

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング
県名 罹患率
1位 愛知 321.9
2位 山口 327.2
3位 群馬 328.3
4位 山形 330.9
5位 岡山 331.2
6位 長野 331.4
7位 沖縄 332.7
8位 栃木 333.8
9位 静岡 335
10位 島根 336.8
11位 茨城 336.9
12位 福島 337.2
13位 石川 340.1
14位 岩手 341.8
15位 三重 343.2
16位 岐阜 343.8
17位 徳島 344
18位 福井 344.5
19位 宮城 346
20位 山梨 346.2
21位 鳥取 346.7
22位 奈良 348.9
23位 滋賀 349.2
24位 広島 349.5
25位 千葉 350.3
26位 富山 351.6
27位 和歌山 352.2
28位 埼玉 352.6
29位 鹿児島 356.4
30位 兵庫 356.8
31位 新潟 357.1
32位 高知 358.2
33位 大阪 358.8
34位 大分 360.5
35位 神奈川 361
36位 愛媛 365.1
37位 青森 366.1
38位 東京 366.4
39位 京都 367.6
40位 佐賀 371.8
41位 福岡 374.7
42位 香川 377.8
43位 北海道 378.6
44位 秋田 381.2 罹患率 県名
45位 宮崎 394.7 390.4 沖縄 1位
46位 長崎 397.6 418.9 長野 2位
47位 熊本 406.9 429.4 群馬 3位
429.7 愛知 4位
436.4 大分 5位
439.4 静岡 6位
439.5 栃木 7位
443.2 熊本 8位
449.2 徳島 9位
450 茨城 10位
450.3 岐阜 11位
452 山梨 12位
454.9 三重 13位
456.3 福井 14位
457.3 岩手 15位
458.6 福島 16位
458.6 岡山 16位
460.9 宮城 18位
461.2 神奈川 19位
461.5 埼玉 20位
462 鹿児島 21位
467.3 千葉 22位
467.9 東京 23位
473.2 富山 24位
476.2 宮崎 25位
477.2 山形 26位
477.7 広島 27位
479.9 石川 28位
482 滋賀 29位
485.7 奈良 30位
487.5 高知 31位
487.6 大阪 32位
489.3 山口 33位
489.8 兵庫 34位
490.8 京都 35位
491.1 佐賀 36位
491.7 福岡 37位
499.4 和歌山 38位
502.3 新潟 39位
503.2 北海道 40位
506.5 青森 41位
511 愛媛 42位
512.7 島根 43位
514.8 香川 44位
522.3 鳥取 45位
539.3 秋田 46位
540.5 長崎 47位

ご覧いただいてわかるとおり女性の方が圧倒的にがんと診断される数が少ないことがわかります。

唯一の例外は男性でもっともがんと診断される数が少ない1位の沖縄県の男性が、女性でがんと診断される数が多い45位宮崎県、46位長崎県、47位熊本県を抜き去っている点だけです。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング
県名 罹患率 罹患率 県名
45位 宮崎 394.7 390.4 沖縄 1位
46位 長崎 397.6 418.9 長野 2位
47位 熊本 406.9 429.4 群馬 3位

つまり男性の中で新たにがんと診断された比率が少ない1位の沖縄県であっても女性でがんと診断された比率が多い44~45位と同じくらい新たにがんと診断されているということです。

沖縄県の男性であっても油断はできないのです。

今度は女性間に存在する都道府県格差に目を向けてみます。

女性で新たにがんと診断された比率…いわゆる罹患率(りかんりつ)を色分けして日本地図化すると、おもに青色と緑色の2色で構成されています。黄色は熊本県の1県のみです。

がんと診断された比率が少ない都道府県ランキングと日本地図の女性編

そして女性の新たにがんと診断された比率が一番少ない1位愛知県と一番多い47位熊本県の差を計算すると…。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング女性編
順位 都道府県 罹患率
1位 愛知 321.9
47位 熊本 406.9

406.9-321.9=85

女性の罹患率の1位と47位の差は10万人あたり85例しか差がありません。

今度は男性間に存在する都道府県格差も見てみましょう。

男性で新たにがんと診断された比率…いわゆる罹患率(りかんりつ)を色分けして日本地図化すると、おもに赤、オレンジ、黄色の3色で構成されています。緑色は沖縄県の1県のみです。

がんと診断された比率が少ない都道府県ランキングと日本地図の男性編

そして男性の新たにがんと診断された比率が一番少ない1位沖縄県と一番多い47位長崎県の差を計算すると…。

新たにがんと診断された比率が
少ない都道府県ランキング男性編
順位 都道府県 罹患率
1位 沖縄 390.4
47位 長崎 540.5

540.5-390.4=150.1

男性の罹患率の1位と47位の差は10万人あたり150.1例もあります。

女性の罹患率の1位と47位の差は10万人あたり85例しか差がなかったのにです。

つまり1位と47位を比較すると男性のほうが女性の2倍もの地域格差が存在する。

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※1https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/gan/gan_toroku.html
※1https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000468976.pdf