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 公開日:2013年12月15日 

東日本大震災は地震も津波も想定外→政府自民党ウソの決定的証拠!

日本政府・自民党や東京電力が福島原発事故を語る際によく使われる「東日本大震災の地震も津波も想定外」という主張が、大ウソだと誰にでもわかる決定的な新証拠を取り上げます。
福島第二原発設置許可取消訴訟の訴状
いまから36年前、1975年1月から裁判が始まった「福島第二原発設置許可取消訴訟」の裁判記録です。

もちろん、その後も福島県に原発が次々と作られたことからもわかるように、この裁判は日本政府が勝利し、私達は負けました。

しかし当時の裁判で日本政府が主張した内容、私達原告団が主張した内容を改めて確認することによって、二度と福島原発事故の悲劇を繰り返さないための教訓となると思いました。

以下は当時「福島第二原発設置許可取消訴訟」の弁護団長を務めた安田純治弁護士が、当時の裁判を語った講演(2013年1月)を私のほうで【総論】【各論】の2つに再構成したものです。

【総論】は、裁判での日本政府とのやりとりを安田純治弁護士自ら語ったものです。

【各論】は、当時の裁判記録を安田純治弁護士自ら詳しく解説したものになります。

※なお()内は内容をわかりやすくするために私が補足した部分です。補足した部分を読んでいただくと、わかるかもしれませんが一応私も法律家のはしくれです。

【総論】

■安田純治弁護士
『実は36年前に裁判やってんですよ。その裁判の記録、今日もってきましたけれども1975年に私ども裁判を起こしている。

福島の原発の許可取り消しの裁判。この時私が弁護団長。で、なんで裁判記録持ってきたかっていうと訴状や(訴状に対する政府の答弁書)なんかあるんですよ。

私らが津波のことも地震のことも当時、言っとったという証拠なんですね。その時私、弁護団長やって原発は危ないから許可すべきでない(と日本政府を裁判所に訴えた)。東電(が)相手ではなかった。

その前に伊方原発と言って四国のほうの原発の裁判が起きたんですけれども、(日本中)あちこちで起きたんだけれども東電(など電力会社を)相手(に訴えた裁判)もあったの。福島は政府相手。なんで政府だけ相手にしたかっていうと「お金」の問題。

つまり東電を相手に訴えますと一人いくらっていう訴訟費用、印紙貼らせられるんですね。

で、原告が400何名ですから、五千円ずつ貼らせられても大変な金額になるのですよ。

(しかし)行政訴訟といって日本政府相手の訴訟(の場合)は1件いくら…原告が100人いようが1000人いようが1件1万何円。なもんで本当は政府と東電と両方訴えたかったんだけれどもお金がないもんだから政府だけを訴えたのが(福島第二原発設置許可取消訴訟)なんですね。

で、それを後から本にしたのが今日の本(裁判記録)でありまして、本当は訴状は訴状、答弁書は答弁書。

で、(訴状で私達が)「地震や津波で壊れるよ」って言ったところ、政府のほう(が答弁書)でどう言ってきたかというと、そういうのは仮想事故だいうことで言って(きて)るんですね。

仮想事故ってのは、仮に想う事故です。当時日本の政府は…東電も同じですが、事故を二つに分類していました。重大事故と仮想事故。あの当時、アメリカから直輸入ですからこの原子炉は。それは今度の災害を呼んだ理由の重大な問題でもあるんですけれど。

アメリカのアイデアをそっくり輸入してきたもんだから津波にやられたんですね。本当は津波にやられるわけじゃなかった。

で、そういうことで政府は…アメリカでは仮想事故なんて言葉使ってるか知りませんけれども。重大事故ってのは理論上も実際も起きうる事故。仮想事故ってのは理論上起きるかもしれないけれど実際は起きない事故。こう2つに分けたんですね。

地震だの津波なんてものは理論上ありえるけども、実際は起きない。仮想事故だ。だからお前ら被害妄想だというのが政府の我々弁護団に対する答弁。

で、ところが私達の訴状に書いたことがそっくりそのまま今起きたわけですね。順序まで同じなんですよ。地震がきて津波がきて外部電源喪失して内部の自家発電もダメになって、冷却できなくなって水素爆発するよってのがずーっと訴状に書いてある。その通りに今度起きた。

だから今の(日本)政府(自民党や東京電力の想定外の言い訳は大ウソ)…何が仮想事故だ!これこそ現実事故じゃないか。絶対安全だって言ってた。それこそ仮想安全だったんじゃないのか、今、立証されるようになったんですね。』

【各論】

・四角で囲まれているのが裁判記録です。裁判記録は合計5つあり、最初の2つが訴状、残り3つがそれに対する政府の答弁書です。※全部読まなくてもマーカーを塗った部分を読めば十分です。
・それぞれ訴状と答弁書の下に『』で書かれているのが安田純治弁護士による解説です。

1975年1月の訴状-19ページ≫
…以上放出に対する基準はなく、事故時放出量評価の想定・パラメーターに関する基準がない。そのうえ、温排水等の被曝以外の影響評価の基準がなく、最悪気象条件の選び方にローカルな検討はされておらず、住民が、原子力発電所の煙突から大気に流出した放射能を吸入する以外のルートで放射能を吸入する以外のルートで放射能を吸入するモデル・パラメーターは不正確である。しかも、本件許可に際しては①地震・津波・航空機つい落等の可能性から見た立地適正の検討は充分でなく、②気象条件・局地拡散気象の現地データによる裏付けが不足しており、③燃料・廃棄物・等の輸送の安全性についての審査を欠いている。…

■安田純治弁護士
『この時404名が原告だった、地元(福島県)の人ばかり、東京の人もいません。みんな原発の近所の農家の人達。まあ中心になったのは高校の先生だの(日本)共産党の町会議員だの、そういう人達が中心になったんだけれども。大部分は漁師の人や農民の人。で、ここらからこういう訴訟が起きましたよっていうことで昭和50年。

本件許可に際しては①地震・津波・航空機つい落等の可能性から見た立地適正の検討は充分でなく」ちゃんと書いてある!訴状に、地震、津波。

だからこれはもっと危険性を感じて設置する場所なんかを考えなきゃいけないのに、考えていない。だから(福島第二原発の設置の許可を)取り消せということが(訴状に)書いてある。』

1975年1月の訴状-187、188ページ≫
…TMI-2原発事故は、渦度現象を引き金とする事故のおこり易さをあらためて再認識させたが、同時にそれは、大地震を引き金とする大事故の可能性の高さを示している。
それほどの大地震でなくても、外部電源のそう失や負荷の遮断がおき、これらが引き金となって大事故を発生させるかもしれない。直下型大地震ともなれば、長時間の電源そう失、中高口径破断、緊急停止失敗などが一挙に出現するだろう
米国の原発の大部分が東部にあり、環太平洋地震地帯にある西海岸への建設がさけられているのは当然である。日本列島は、米国西海岸とともに環太平洋地震地帯にあり、そのその上に一九基の原発が稼働しているのだ。
地震による影響をより強くこうむるのは、「応力腐蝕われ」であるが、頻発の沸騰水型でよりきいてくることは当然である。すでに度重ねて発見されている原子炉圧力容器自体やそれへの配管とりつけ部分でも肉厚を貫通するようなクラック、そして十分にありうる制御棒駆動装置部分の材料の劣化が、大地震時に致命的な損傷をひきおこす可能性は大きい。
この意味で、沸騰水型炉については、大地震を引き金とする冷却材そう失事故、炉停止の失敗などが懸念される。それらの発生確率は、過渡現象を引き金とする大事故に比較して小さいとはいえないのである。…

■安田純治弁護士
『「同時にそれは、大地震を引き金とする大事故の可能性の高さを示している。」まさに今回の(福島原発)事故なんですね。

それほどの大地震でなくても、外部電源のそう失や負荷の遮断がおき、これらが引き金となって大事故を発生させるかもしれない。直下型大地震ともなれば、長時間の電源そう失、中高口径破断、緊急停止失敗などが一挙に出現するだろう」ってのがまさに36年前の訴状に書いてある。

今回起きたのはこの事故なんですね。「この意味で、沸騰水型炉については、大地震を引き金とする冷却材そう失事故、炉停止の失敗などが懸念される。」んだっていうことをここに書いてある。』

訴状に対する日本政府の答弁書-340ページ≫
(2)災害評価から見た立地条件
ア「重大事故」に対する評価
本件原子炉における災害評価に際しては、立地審査指針にいう「重大事故」として冷却材喪失事故及び主蒸気管破断事故を想定した上、右いずれの場合においても放射性物質の大気中への放出が大きくなるような各種の仮定をおいて評価した。その結果、冷却材喪失事故を想定した場合における敷地外の最大被曝線量は、排気筒から南方約六九〇メートルの敷地境界で、甲状腺(小児)に対し約三・七レム、全身に対し約〇・〇一六レムと評価され、また、主蒸気管破断事故を想定した場合における敷地外の最大被曝線量は、タービン建屋から南方約五二〇メートルの敷地境界で、甲状腺(小児)に対し約八三レム、全身に対し約〇・〇四九レムと評価されたため、右書く評価値はいずれも立地審査指針に定められるめやす線量である甲状腺(小児)一五〇レム及び全身二五レムに比べて十分に小さく、かつ、立地審査指針に定める非居住区域であるべき範囲は、敷地内に含まれると判断されている(甲第二号証三二~三四ページ)
イ「仮想事故」に対する評価
立地審査指針にいう「仮想事故」としては前記重大事故と同じ事故を想定した上、放射性物質の大気中への放出について、前記重大事故の場合よりも炉心から格納容器内に放出される放射性物質の割合等を大きくするなどの厳しい仮定をおいて評価した。

■安田純治弁護士
『(上は日本政府の提出してきた)答弁書…全部(だと)厚くなっちゃうんで部分だけとりだしてきたんですが。イ「仮想事故」に対する評価これが政府の言い分。…仮想事故だって言うんですよね。(原発が)地震、津波で壊れる(のは)。

重大事故っていうのはようするにパイプが故障起こしたり、弁がおかしくなったりして放射能がばらけたりするのが重大事故

仮想事故っていうのは(地震や津波など)そういうことが起きうるんだけれども、実際は起きないから仮想事故…っていう(日本政府の答弁)がここにちゃんと書いてあるんですね。

で、仮想事故に対してもちゃんと検討していますよって政府は言ってるんですよ。

前記重大事故の場合よりも炉心から格納容器内に放出される放射性物質の割合等を大きくするなどの厳しい仮定をおいて評価した。」と、だから起きえない事故でもちゃんと考えてんだよということを(この政府の答弁書は)ものすごく書いてる。事故の結果を見るとね、だから何が仮想事故だ!と今は(言えるわけですが)。

訴状に対する日本政府の答弁書-376ページ≫
…力にたいする本件原子炉施設の強度設計については、本件原子炉敷地付近における過去の観測記録上の最大瞬間風速二九・四メートルを上回る風荷重で設計されていること(乙第七号証6-5-(6)ページ、同第九号証20ページ)、また、本件原子炉敷地前面海域の潮位については、右海域における既往最高潮位(小名浜工事基準プラス三・一メートル)に対し十分余裕のある敷地聖地高さ(小名浜工事基準面プラス一二メートル)にされること(乙第六号証3ページ、同第七号証6-2-(1)ページ、同第九号証20ページ)をそれぞれ確認している等である。…
…(二)地震
本件審査においては、次のとおり、地震及びこれに伴う事象が、本件原子炉施設における大きな事故の誘因となることはないものと判断された。

■安田純治弁護士
本件原子炉敷地前面海域の潮位については、右海域における既往最高潮位(小名浜工事基準プラス三・一メートル)に対し十分余裕のある敷地聖地高さ(小名浜工事基準面プラス一二メートル)にされること…(つまり)小名浜工事基準でプラス3.1メートルに対し十分余裕のある敷地だからプラス12メートルの余裕がとってあるので高い津波がきても大丈夫だというふうに書いてる。

ところが今度の(東日本大震災の)津波は12メートル以上あったんですね。それで完全に自家発電のディーゼルエンジンがきかなくなちゃって…で、今度下、(二)地震ってある。本件審査においては、次のとおり、地震及びこれに伴う事象…って津波のことなんですけれども、政府もちゃんと津波のことは津波とは書いていないけれども本件原子炉施設における大きな事故の誘因となることはないものと判断された。こういう風に言ってるんですね。』

訴状に対する日本政府の答弁書-405ページ≫
(3)仮想事故に係る災害評価条件設定の妥当性
仮想事故は、前述のように、低人口地帯であるべき地域の範囲等を判断するために想定する事故であり、その判断に際しては、右事故による講習の甲状腺(成人)被曝及び…

■安田純治弁護士
(3)仮想事故に係る災害評価条件設定の妥当性…絶対起きない事故でも条件を計算していますよっていうのを言ってる。

政府はそういう地震津波のことを仮想事故と言って、しかも起きもしないんだけど、起きもしなくてもちゃんと余裕をもって計算してるよって答弁書なんですね。

という具合につまり(日本)政府(自民党や東京電力)の言うことは全くあてになんないと。で、一般の民衆が言ったことが正しかったと、いうことが今の(福島原発の)事故で明らかになったということなんです。』

~補足~
なお今、安田純治弁護士は「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!福島原発事故被害弁護団」の代表を務めておられます。

~蛇足~
それと講演内容の文章化について。福島弁とイントネーションをできる限りそのまま文章にしましたが、わかりにくい部分は私のほうで標準語に直しました。また、講演でしたので指示語や話し言葉が多数ありましたが、それらは前後の文脈を読んで意味が分かりにくくなるものについては同じく直しました。誤字脱字誤記載ありましたら私のミスです。安田純治弁護士のミスではありません。

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