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 公開日:2017年2月3日 

放射能公害下で命を守る連帯を!原発事故6年目を前にして

矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授
琉球大学名誉教授 矢ヶ崎克馬

放射能汚染はまだまだずっと続きます。
健康被害はいよいよこれから増加します。
今改めて訴えます。命を守る連帯を!!

<目 次>

健康は放射能を意識してこそ
§1道理あるたたかい讃歌
§2放射能公害下の汚染現状と健康被害
【1】主権尊厳のたたかいこそが未来を拓く
【2】放射能汚染
(1)原発事故以前の食品関係汚染状況
(2)2016年度における食品汚染状況
(3)海の汚染
【3】放射能被曝に関連する健康被害
(1)年15万人ほどが異常死亡
(2)全国の病院での患者数急増

健康は放射能を意識してこそ
§3知られざる核戦争の技法
【1】住民犠牲の「原子力緊急事態宣言」
【2】日本をめぐる放射線被害隠しと原子力ロビー
(1)国際原子力機関(IAEA)
(2)国際放射線防護委員会(ICRP)
(3)日本政府の対応
§4放射能公害から命を守る連帯
(1)命を守りましょう!
(2)最も深刻な現実
(3)カリウム多肥の対策は「毒を持って毒を制す」
(4)内部被曝防護体制
(5)最低限の要求

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健康は放射能を意識してこそ
§1道理あるたたかい讃歌

国家権力が挑む主権者に対する戦争に敢然と立ち向かうたたかいを心から支援します。一人一人が大切にされる社会のためのたたかいは必ず勝利します。
原発事故後の健康被害「放射能公害」は秘匿されていますが、実に深刻です。全日本住民が被曝防護する必要があります。
放射能公害下で、暴政下で、命を守る連帯を広げましょう。

沖縄県の高江でたたかう皆さん!辺野古でたたかう皆さん!毎日毎日ご苦労様です。新たな戦争能力・未必の殺戮を阻止し、自らの人権を守ろうとする崇高なたたかいです。

政治権力に支配された不当判決の連続、貴重なヤンバルの自然を破壊し住民を人間扱いしないオスプレイパッド工事と訓練飛行、加えて墜落。辺野古工事再開。しかし、沖縄県民は屈しない。全世界が権力横暴を痛感せざるを得ない「非暴力の抵抗」は必ず勝利します。

非暴力の抵抗の思想は社会的、文化的、政治的、人権的、総合的共感を人々に波及することで大きな力となります。自分の命を守ることが他の命を守るたたかいと共鳴し、思いやりが生まれ友情が育まれ、真の連帯が生まれます。破壊と殺戮の応酬である暴力的抵抗と比較し、思想と方法に於いてこれほど優れたたたかいはないと信じます。

人権を主張する住民のたたかいは対等な連帯を築くことこそが力であり、分断を許しません。権力に決して屈しないたたかいに敬意を表します。権力は必ず破たんします。頑張りましょう。

福島で、東日本で核害に対してたたかう皆さん!命を張ったたたかい、深刻です。政府や国際原子力ロビーは徹頭徹尾住民に被曝を許容させ、一切の付けを住民に回す棄民政策を、福島第一原発事故処理に適用し成功させています(少なくとも今までは)。

国際原子力ロビーはチェルノブイリ事故以来、「再び原発事故が起こったら、絶対チェルノブイリの失敗を繰り返してはならない」と準備万端整えて、手ぐすね引いて待ち構える状態(「知られざる核戦争」の集大成版)で福島事故は起きてしまいました。そして国際原子力ロビーのシナリオどおりの被害隠ぺいのための核戦争(知られざる核戦争)が日本政府の下になされてしまいました。

ここで、「知られざる核戦争」は核汚染・健康被害の実態隠匿のための核推進権力が住民に対して行う核戦争です。人格権を破壊する科学を装った情報戦争です。原爆投下以来放射線による殺人を隠し通してきました。

彼らの言うチェルノブイリの失敗とは被害者の人権本位で作られたチェルノブイリ法を施行させてしまったこと、被害地域の医師や科学者を権力的にコントロールすることができなかったこと、放射能汚染や被害の実態報告などを含む事実を伝える情報の伝達を許してしまったこと、などが失敗と称されたことです。これらの知られざる核戦争は全て「フクシマでは上手くいっている」状態です。

ですから放射能は政府の宣伝するよりずっと危険で猛威を振るうものです。小児甲状腺がんを原発事故と無関係とし、住民の予防医学的保護が一切拒否されています。さらに深刻なことには、放射能起因と推測される大量の死者や健康被害がすでに出ていることです。

放射能公害からプロテクトするには毎日の食材管理を徹底させることと、政府の支配原理から離脱するしか方法はありません。政府が住民に仕掛けている「知られざる核戦争」に主権者として勝ち抜く戦略とぬちどぅ宝の原則を確保しましょう。

放射能を語らせないことで「復興」が進められようとしていますが、住民は放射能を語ることで初めて防護できます。言論統制的な雰囲気は人権放棄につながります。少なくとも長期にわたる放射能汚染の中での現状を知り、被曝予防につながる生き方をする必要があります。頑張りましょう。

原発事故避難者の皆さん、放射能を避け自らを守る道を選択された勇気に敬意を表します。現実の健康被害から逃れ被曝を避けるために、それまでの生活基盤を捨ててまでも決断されたことはたいへんな痛苦を伴ったことと推察されます。心からのねぎらいを申し上げたいと思います。

福島県内の指示地域外の避難者の皆様には、今年2017年3月に「避難者向け支援終了」が予定されています。避難する原因を作ったのは政府に支援された加害企業であるという明白な加害責任が有るのに、逆に避難者が復興の妨害をしている邪魔者のように扱われています。被災者が放射能から逃れる権利がはく奪されようとしています。

原発事故を事実内容に沿って住民を保護するのではなく、強権的に「形式上」終わらせようとする政府の明白な棄民の犠牲になってはなりません。とどまっている人も避難している人も、ともに被曝を避けて命を守り、政府支配から離脱することこそ人権が守られる唯一の道と信じます。棄民策から住民の命を守る主権者の道理の政治に変えるたたかいを心から支援します。

福島県以外からの避難者は、文字通り何の公的責任も発揮されず文字通りの「難民」となっています。それにもめげず逞しく生きていく毎日に心から声援を送ります。

戦争権力は命の危機を伏せたまま復興や帰還を進めようとしています。放射能公害の国の責任を国民の命を削り、消費者負担で切り抜けようとしています。命を守ることこそが連帯のキーワードです。命を守る連帯を進めましょう。
 
原発は廃止させましょう。エネルギー改革が進み、世界は原発を不必要にする日進月歩が進みます。たった40年程度の原発稼働で放射性廃棄物管理が10万年から100万年必要とされます。原発を維持しなければならない必要性は誠実な社会人の選択にはまったく存在しません。原発は核兵器維持戦略から生まれたまさに核兵器の補完物です。原発と核兵器が無い世界を目指して頑張りましょう。

原爆で被害に遭った方々の法律に基づく正当な権利の獲得を支持します。使い捨てにされる原発ジプシー労働者が人間としての当然の権利の獲得を目指すたたかいを支持します。放射能がれきの焼却により人格権を犯された方々のたたかいを支持します。戦争をする国にしないために憲法を守り抜こうとするすべての人とともに力を合わせたいと思います。

一人一人が大切にされる社会を作るためにたたかう全ての方々を支持します。
子や孫の世代に負の遺産を残さないために全力を上げましょう。

§2放射能公害下の汚染現状と健康被害

残念ながら放射能公害の極めて厳しい現状をお伝えしなくてはなりません。放射能が原因である死亡や健康被害が増大しています。放っておけば被害がさらに増大する。予防医学的に被害を未然に防がなくてはなりません。そのことを目的にしてお伝えいたします。

日本はすさまじい放射能公害が進行し「想定外」の(科学的には十分予想された)健康被害が生じています。核固執権力・大資本依存権力はそれだけに放射能公害隠しと健康被害に対してのたたかいの分断(知られざる核戦争)に狂奔しています。

政府の安全安心論とは逆に放射能公害は市民の健康を破壊しています。放射能によって命を落とす人が毎年15万人ほど出ており、病院患者が急増しています。政府マスコミによってその実態は隠されています。先ずこの現状を皆様にお届けする必要があります。

そのうえで放射能公害は国際的核推進勢力が日本政府を通して全力を上げて隠し通そうとしていることを述べます。民主主義を求めるすべての人が、どのように連帯することが基本的人権のために必要で、どのようなたたかいが真に命と暮らしとを守り通し、権力の人権を踏みにじる暴政を止めさせるたたかいとなるのか明確にしなければなりません。

人格権を正当に認めさせようとする皆さんも、関係ないとする皆さんも、全て放射能公害の犠牲の対象者です。全ての人が自らの命を守る主張をいたしましょう。

【1】主権尊厳のたたかいこそが未来を拓く

放射能汚染は人の一生の間には治まらないものです。セシウム137の半減期は30年ですので90年経ってようやく放射能が8分の1に減衰します。ストロンチウム90もほぼ同様です。汚染の軽減については物理的には自然に従うほかはあり得ません。

これにどう対処するかについては①できるだけ住民の被曝を避けて健康被害が最小で済むようにするか、②住民に被曝させながら国や会社の負担が最低限で済むようにするか、の二極に分かれます。①は住民本位の民主主義の上での考え方で、②は原爆投下以来の核戦略権力の「核戦争(知られざる核戦争:被害隠しの人権抑圧と情報操作)の道です。国際放射線防護委員会(ICRP)や国際原子力機関(IAEA)などの考えかたです。

政府は②に依拠して事故処理をしています。同じ「福島に住む」場合でもどちらの考え方を支配的にしていくかで、結果には大きな開きがあります。今を生きる「主権者」たちの選択は自分自身のことだけで済むのならば自分のやりたいことだけで済みますが、子どもたちはそうはいきません。子どもの心身の健康は守らなければなりません。

子どもに犠牲を強いることは避けようではありませんか?例え、汚染の強い土地で生きることを自らが選択したとしても、政府に自身と子ども・弱者に対して日々の被曝を避ける措置を要求し、少なくとも子どもの保養を国として実施するようにする必要があると思います。

そのために「風評被害」として放射能を語らないことを止め、放射能の汚染の現状を正確に見極め、それから防護するために、政府の「棄民政策」をストップさせることが重要なのではないでしょうか?棄民政策に妥協して郷土を保全しようとするのは、袋小路です。一人一人の尊厳を求めるたたかいこそ、未来を拓く道です。

【2】放射能汚染

(1)原発事故以前の食品関係汚染状況
2008年度の水や食品の放射能汚染状況は下記の表のように報告されています(日本分析センター平成20年度事業報告書)。

2008年度の於ける食品汚染
種類 数値 単位
上水 0.00004 Bq/L
0.012 Bq/kg
根菜 0.008 Bq/kg
牛乳 0.012 Bq/L
魚類 0.091 Bq/kg

  
原状の食品汚染がたとえ1Bq/kgであっても、もともとの故郷の汚染度と比較してみてください。何倍の汚染を受け容れているのでしょうか?放射能は「何Bq/kgまでなら大丈夫」という考え方は取らないことが放射能危害の現実と合致します。

免疫力の弱い人には少ない量で被害が現れます。ですから「やむを得ないから受け入れる」考え方に於いても、政府にちゃんとした防護策を講じさせる住民本位の考え方と道理を主張できる主権者としての気概を持ちましょう。

(2)2016年度における食品汚染状況
下記の地図はホワイトフード提供による厚労省測定に現れた食品の2016年度上半期の各種食品汚染地図です。※1
厚労省測定に現れた食品汚染
食品の放射能汚染は福島だけでなく東日本全域に及ぶとしてよいものです。食品の汚染は土地と空気の汚染を反映します。健康に生きようとする基本的権利に基づいた考えは、この現状を意識するところから始まります。なお、海産物の汚染は、フクシマ以南親潮の海流に乗って黒潮とぶつかり太平洋に押し出される千葉の房総半島までが主要な汚染地域です。

下記の表は海産物の汚染平均値とサンプル回数を示します。※2
海産物の汚染強度と記録頻度

(3)海の汚染
この地図は日本近海の海流。※a
日本近海の海流(黒潮と親潮)

この地図は太平洋の海流を表します。※c
太平洋の海流

福島第一原発のメルトダウンした炉心からは現在でも放射性物質が垂れ流され続けています。海に出た汚染は一部は海底の土砂として沈殿し、それ以外は海流に乗って運ばれます。先ずは親潮に乗って南下し、黒潮とぶつかるところで、太平洋の東に向けて押し出されます。そしてアメリカ西海岸にぶつかり北と南に分かれます。北はアラスカ海流となり再び日本へ回帰します。南に向けては赤道海流となりやがて黒潮に乗り、沖縄を洗い日本全体を覆います。

この地図は2012年3月の日本近海汚染の汚染状況です。※b
ASR太平洋放射能汚染地図

フクシマ沖から千葉房総沖までが特に汚染がひどく、北は北海道太平洋側沖までの間が汚染が厳しい海域です。また、シミュレーションによれば、2016年は沖縄に世界を還流した汚染が襲う頃となります。

アメリカ西海岸の海水は複数海域で11 Bq/m3 を記録し※3、回遊魚マグロなどが汚染されていることが報告されています。日本政府が放射能封じ込めに責任を持って対処しなかった結果はこのように世界中を汚染に巻き込んでいます。棄民と環境破壊が同時に進んでいます。

【3】放射能被曝に関連する健康被害

(1)年15万人ほどが異常死亡
総務省統計局人口動態調査、厚労省人口動態統計月報に発表されたデータを解析すると大量の異常人口減少(異常死亡数)が見えてきます。

下記の図は総務省統計局人口動態調査から引用したものです※4。
総務省統計局人口動態調査
同統計の人口増減率は、ほぼ直線的に減少し2009年でプラスからマイナスに変化します。少子高齢化での人口減少は2009年を頂点とする放物線的な変化をすることを示唆します。上の図の赤い直線はその予想減少曲線です。東日本大地震で大幅な激減の後減少はいったん回復し、2011年5月から12月まではこの予想直線と同じ割合の減少が確認できますが、12年の1月には激減し、その後一定の激しい減少率がつづきます。※5

でもこのことが確認できます。この減少は予想曲線をはるかに上回るもので年間15万人ほどの予想超過数となります。2012年以降の急減は原因として放射能被曝が推定されます。なお、周産期死亡率なども原発事故10ヶ月後から十数%急に増加しています(Scherbら:Medicine(December 2016, Volume 95, Issue 52, pp: e4778-e5819))。

(2)全国の病院での患者数急増
2011年の福島原発事故を期に多種にわたる健康被害が記録されています。国立難病情報センターのデータ※6によれば、現在、62種の難病が指定されています(2010年以来不変)。総数の対前年増加数は2010年まではほぼ一定でしたが、2011年で2倍以上に急増しており、その後も増加傾向が急激になっています。

首都圏の骨髄異形成症候群による入院患者数は2013年の2010年比で2.7倍から5.5倍に上ります(NTT東日本関東病院(東京品川区)、千葉大学医学部付属病院(千葉市)、武蔵野赤十字病院(東京都武蔵野市)、東京逓信病院(東京都千代田区))(渡辺らまとめ※7)。順天堂大学付属病院血液内科の外来新患は総数で、2011年に比し2013年が3,8倍に及んでいます(同上)。福島県内6病院における甲状腺悪性腫瘍の手術数は2012年が2010年の2.7倍に及んでいます(同上)

沖縄県内の複数病院に於ける2011年以前に比して以後の手術患者の増加は、ほぼ18%増加しています。福島県立医大付属病院、では約15%増加しています。これらで特に1.5倍以上に増加した疾病は各病院15種類以上に上り、脳、眼、心臓、耳鼻咽喉、血液、婦人科、諸臓器に加え外傷と、すべての部類の健康被害が並びます※8。

2011年度を境として急変した人口減・死亡者増、同様に2011年を境とした病院患者数の急増等は一斉に変化を示しているものであり同一原因を強く示唆しています。ここでは放射線被曝にその第一の原因が有ると判断し、全国の住民の皆さんに警鐘を鳴らします。このような変化をもたらしている原因に、少子高齢化、地球温暖化などの他の事柄があるかもしれません。

しかしそれらがともに2011年を境にして生ずる確率は少ないと判断します。学問的には逐一論じ尽くす必要があるかもしれませんが、人の命や健康が破壊されている現実があります。その現実の悲劇を少なくすることを重視したいと思います。この悲劇を作り出している原因の一つに放射能が合理的に推察される以上、内部被曝を防ぐために強く警鐘を鳴らしたいと思います。

これらの死亡、健康被害は「ただちには、影響は出ません」、「100ミリシーベルト以下は安全です」、食料流通基準「100ベクレル/kg以下の食品は安全です」等々の大宣伝の中で生じた被害です。この6年間弱に何百万の市民が健康を害しそのうち数十万の人が命を奪われたのです。そしてその大半は放射能汚染された食材を食した内部被曝によると推察します。

マスコミなどは少子高齢化での「多死社会」と称して、高死亡が自然現象だけであるかのように言っていますが、詳細に見ればその10%強が放射能で死亡していると推察されます。実にひどい事実が隠されています。そして恐ろしいことには我々自体が放射能の恐ろしさを意識できずに、権力の「復興」、「食べて応援」の掛け声で、必死に福島などの被災者を応援してきたのです。

健康被害の現状は全ての日本在住者が食材に汚染が無いものを選ぶ必要に迫られていることを示します。もちろん福島在住の方も東日本の高汚染地帯の方も、低汚染地帯の方も、全てです。立憲民主主義の下であらゆる不当な扱いを止めさせるたたかいを、憲法を掲げて行っている民主主義の士は、放射能公害下で命を守る旗手であって欲しいと思います。既に健康被害を蒙った方々は声を上げることをいたしましょう。

健康は放射能を意識してこそ

§3知られざる核戦争の技法

【1】住民犠牲の「原子力緊急事態宣言」
―住民犠牲による事故処理の枠組み―

現在日本は「原子力緊急事態宣言」の下にあります。歴代政府の棄民指針は「原子力緊急事態宣言」に凝縮されています。緊急事態宣言は、「原子力災害の拡大を防止するもの」にはなっておらず、逆に大量被ばくを住民に押し付け「原発事故」を政府・東電の都合の良いように切り抜けようとしているものです。

住民の命や環境を守っている法律を無視し、住民に大量被ばくを与え、環境汚染に道を開けています。チェルノブイリでは7か月後に「石棺」で事故炉を封じ込め放射能拡散を防ぎましたが、日本では、メルトダウンした炉心の根本的封じ込めには今もなお「めど」さえ立っておりません。「原子力緊急事態宣言」は「棄民と無責任の大権」を内閣総理大臣に与えているものなのです。

住民の放射線保護基準は年間1ミリシーベルトであるところ、20ミリシーベルト/年を基準化しました。現在はその基準で避難指示区域を解除し、避難者を帰還させ「復興」させようとしています。2017年3月で避難者支援は打ち切られることも止めさせなくてはなりません。

放射能からの環境保護基準は法律によれば、100ベクレル/kgですが(放射能汚染物質再利用制限)、この法律基準を8000ベクレル/kgに吊り上げ、除染後の汚染土を全国の公共事業に使わせようとしています。まさに汚染の拡散事業です。

【2】日本をめぐる放射線被害隠しと原子力ロビー
(1)国際原子力機関(IAEA)
国際原子力機関(IAEA)が福島に事務所を開設しました。IAEAはチェルノブイリ事故の時に、国家に巨大な財政負担をかける住民の放射能からの保護(チェルノブイリ法)を「失敗」と位置づけ、放射能に関する「情報統制の必要」を主張し、チェルノブイリ周辺国の医師や専門家の「権力的統制に失敗」したことを反省しています。避難させるな、報道を統制せよ、健康被害を認めるな!なのです。もちろん避難の権利などは真っ向否定です。

IAEAはチェルノブイリの失敗再現を阻止するために福島事故の処理に臨んでいる米国中心の核支配体制を維持する重要機関(国連の重要機関)なのです。この関係者は「チェルノブイリでは失敗したが、フクシマでは上手くいっている」と語っています。何がうまくいったのでしょう?

情報統制の成功と基本的な住民保護法を作らせなかったことが「うまくいった」の内容であると判断されます。しかしメルトダウンした放射能の封じ込めという課題ひとつとっても、チェルノブイリでは事故後7か月で事故炉を石棺で覆いましたが、未だに日本は垂れ流し状態で、放射能の封じ込めのめどが立っていない状況です。世界の環境と食料が大きな危機に立たされています。

(2)国際放射線防護委員会(ICRP)
緊急事態宣言の内容に国際的「認可」を与え、全面的推進の指令を出すのは国際放射線防護委員会(ICRP)です。ICRPはその防護3原則(第1原則「正当化」、第2原則「最適化」、第3原則「被曝限度の摘要」)に「原子力発電は、人を殺しても良い」という哲学を謳い、普及させている団体です。原爆被爆以来放射線による健康被害を隠し続けてきました。

正当化とは「その活動の導入が活動の結果生じる害(放射線による損害を含む)よりも大きい便益をもたらすかどうか」、端的に言えば、「公益が放射線による犠牲より大きければ」発電活動などが正当化される、というものです。発電という営業行為と放射線犠牲者という人格権が破壊されるのが本質であるリスクを天秤にかけるという功利主義をむき出しにして、個々人の人格権をきわめて露骨に踏みにじる哲学を持っているのです。

その考え方をもっと率直に言えば、「原子力発電は、人を殺しても良い」ということが正当化の内容です。この民主主義の基本理念の破壊が国際政治の舞台で堂々と容認されているのは実に脅威です。戦争を国家が行うことは国家の名によって民主的諸権利・人格権をはく奪するところにありますが、原子力発電はこれと構造を同じくするものなのです。

このICRPが被曝状況概念を拡大して事故処理の際のALARA精神による原則を確定したのです。この認識なしにICRP基準に依存することはまさに「棄民」術中にはまり込むことなのです。冒頭及びIAEAの項で説明しましたが、ICRPはチェルノブイリの反省の上に〝次に原発事故が起きたら″こうしなければならない〟という功利主義に基づく事故管理指針を完成させました。2007年の勧告では事故を住民被曝で切り抜ける体系を新しく提案したのです。

2007年以前の被曝状況は「計画被ばく状況」だけでした。「線量拘束値」(被曝限度値)は年間1ミリシーベルトでありました。これを2007年勧告1)で、被曝状況に緊急被曝状況(事故などが生じた際の被曝状況)と現存被曝状況(事故後の被曝状況)を追加し、「参考レベル」(あくまで被曝線量)として年間20ミリシーベルトから100ミリシーベルトの被曝線量を勧告しました。

事故時に置いてもオーソライズされた被曝線量を設置し、各国政府に採用させ、大量被ばくを住民に押し付ける「国際基準」メカニズムを具体化したものです。事故時にもALARA(as low as reasonably achievable)精神を発揮して、「国や企業にあまり負担を掛けない範囲で、そこそこに(reasonableに)事故処理を行え」というものです。繰り返しの訴えですが、「棄民策」に依拠してはなりません。

(3)日本政府の対応
これらの展開として、放射能対策地を政府は福島に限定しました。原子力規制委員会発表の汚染データでは日本全土に、特に強い汚染は東日本一円に、ヨウ素131やセシウム137が降り注いでいます。それにもかかわらず政府は汚染マップさえ作らずに「放射能から住民を防護すべき地域」を福島県だけに限定したのです。沖縄県に注いだ放射能の千倍から1万倍の東日本汚染地域をほぼ無管理の状況に置いたのです。福島県以外は公式に一切棄民されたのです。否、福島県を含んですべての日本住民は棄民されているのです。

住民を黙らせる手段は事実を隠す言論統制と「うそ」の大量宣伝です。「ただちには、影響は出ません」、「100ミリシーベルト以下は安全です」、「食料流通基準100ベクレル/kg以下の食品は安全です」等々。これらが真実ならば、大量の異常死や病院患者の増加は起こりえないのです。

福島では大量に発生している小児甲状腺がんが事故と無関係であるとして一切の放射線による健康被害を認めない体制を強化させています。これが成功すれば、他の一切の健康被害は封じ込めることができます。

§4放射能公害から命を守る連帯

(1)命を守りましょう!
放射能を語らないと命は守れません。「風評被害」として放射能を封じ込めて遂行される「復興」とはいかなるものなのでしょうか?大地を守る郷土愛は「復興」によってこそ実現します。しかし「棄民」の上に住民の切望を乗せてはいけません。「ぬちどぅ宝」の人格権を全うする心の叫びを表してください。棄民に対してたたかってください。たたかいこそが道を開きます。

悲痛な気持ちで、必死で皆さんに訴えます。「食べて応援」は止めましょう。そのもたらす結果は主権在民の精神に根本から反します。代わりに、福島応援のパターンを変えて、福島県下の人々の被曝を防止する支援、避難する権利の獲得、保養の提供などを展開するようにしましょう。

同時に福島(及び高汚染地域)在住の方に、「政府の支配条件で生きていくのは止めましょう」と呼びかけます。基本的に命を守るための「内部被曝防護・外部被曝防護を政府に要求しましょう」、「方射能公害・核害下の生活条件を変えさせましょう」、「保養」などの体内放射能蓄積量の軽減化のための施策を求めましょう。

政府の支配から離脱する精神を持たない限り命を守ることは出来ません。放射能の危険性と政府の住民切り捨ての冷酷さを知るべきです。放射能の危険から逃れる哲学と方法を持つべきです。

その代り西日本の新鮮な放射能汚染の無い(少ない)食品を、強い汚染に曝されている地域の人々に届けるなど、西日本の人々が命を守りながら、汚染地帯内の人々の命を守れる、本質的支援を行うことが求められています。そこには避難の自由、汚染食品を食べたくない自由、事実に基づいた発言をする自由など諸々の人格権が尊重されなくてはいけません。

同時に住人の方の公的保養を保証し、放射能の健康被害を緩和する措置を取りましょう。食料生産者の天命である「安全な物を提供する」という社会的責任も非常に重いものがあります。政府の支配下に甘んじるのではなく、放射能から根本的に住民を守る施策に政治を取り戻すことです。軍備を拡充するお金を住民支援に回させましょう。オリンピックに、リニア新幹線にお金をかける分だけ健康を守る施策に当てさせましょう。

「風評被害」の言葉も、まさに現実である深刻な放射能の健康破壊問題を心の問題に置き換え、実際は放射能からの防護を語らせない権力の支配用語です。どの様な作物でも、土地や海などの放射能汚染に応じて放射能が食物に移行します。私たちは放射線を被曝しないのが「ぬちどぅ宝」の原則です。どのような食品が汚染が少ないのかも情報を取りましょう。

測定がなされていない限り、一般論としては、「汚染地帯からの食物を食べない」ことが原則です。考えてみてください。沖縄に於ける病院患者数の3.11以後の増加率が何故福島県内とほぼ等しいのでしょう?沖縄には東日本の産物が多く移入されています。沖縄県民は安い食品に頼らざるを得ない事情があります。空間を越えて健康被害が大きくなる社会的原因があると判断するのが順当です。

全く同じ原理・ぬちどぅ宝の原理で、汚染地帯の方々と内部被曝・外部被曝を防ぐ連帯したたかう原理を持たないとなりません。

(2)最も深刻な現実
―政府の棄民策と「郷土愛」のはざまに―

では福島の汚染地帯の人々はどうなるのか?私たちはぬちどぅ宝の原理を極めて大切にしなければなりません。沖縄では「沖縄戦で強奪された軍用地は無条件で返還すべきだ」という声を民主主義の基本である道理ある声として主張しています。

逆に福島では、国際原子力ロビーと日本政府は「人が死んでも住み続けさせよう」としています。健康被害が出ることを承知で、20ミリシーベルト以下の汚染地に人々を住み続けさせ、それまでの法律の防護基準を無視しています。

深刻な事情は、先祖伝来の田畑を守ろうとする郷土愛は住み続けることを望んでいることです。郷土愛を棄民の上に重ねてよいものでしょうか?

否です。郷土愛は棄民策を排除して初めて誠実な実が生じます。

一人一人の住民にとっては、棄民された条件で土地を守る道を重視するか、命を守る道を重視するか、生き方として選択が迫られるのが現在の状況です。これは酷な道です。棄民策を止めさせねばなりません。

棄民策のもう一つの重大な犯罪があります。大地が汚染されればどうしても作物に放射性物質が移行します。生産者の天命である「安全な食品」を消費者に届けるということが難しくなります。これほど酷い人権侵害はありません。棄民策はこの人権を破壊します。

命を支え合う主権者としての自覚無くしては放射能に関する事実を見ることが出来なくなる恐れがあります。被災者どうしで避難している人々との間に対立を深める危険を増大させます。

「売らないと食っていけない」という“棄民の原理”は、どこかから聞こえてくる「俺は食べないが売りつくす」に直結するのではないのでしょうか?人間としての信義の問題が発生しています。自らも「放射能汚染されている食べ物はお断りだ」、「人様にも汚染されている食べ物を食べさせてはならない」という当たり前の重要な「一人一人を大切にしあう」人権擁護の原点、命を守る原点を尊重しなければいけないのではないでしょうか?

人権を破壊する本当の敵を見出しましょう。ぬちどぅ宝の普遍的原理で生きることを可能とする生き方を選びましょう。棄民を「命を守れる住民本位の政策」に変える必要があります。

チェルノブイリでは住むことも生産することも禁止されている5ミリシーベルト/年間(初期土壌汚染を基準にする)以上の汚染レベルに日本では100万人規模の住民が生活を営むことの矛盾は、生きる人が人格権を要求しない限り住民犠牲となるしかないのです。

汚染地帯在住の方には命を守る上で、生活をするうえで大変厳しい人権のたたかいです。でも、やるしかない!決してあきらめない。誠実な民主主義の真骨頂を示そうではありませんか!

(3)カリウム多肥の対策は「毒を持って毒を制す」
さらにカリウム多肥は新たな深刻な放射能問題を生じさせています。カリウムの大量使用は止めるべきです。カリウムは強い放射能を含みます。セシウムを排除するためにカリウムをイネに多量に移行させる手段は「毒を持って毒を制す」手法です。米にはカリウムの放射能が増加しています。放射能は放射能。我々の身体が放射線で電離された損傷を直ちに繕うことができる能力を持つからこそ、多大なカリウム被ばくを乗り越えて健康でいることができます。

ところが毎日食べるお米にカリウムの放射能量が増えれば、免疫力の弱い人がまず健康を崩します。カリウム多肥のお米は大きな問題を抱えます。それだけでなく田んぼで働く農家の人が多量に被曝します。それに田んぼの豊かな生物圏の生き物が被曝します。放射能はセシウムだけが避けるべき対象ではないのです。

(4)内部被曝防護体制
被曝は福島県だけではありません。全国あらゆるところで内部被曝防護のために非汚染食材を提供するなど、住民の被曝防護のために力を尽くすべきです。

汚染地帯で放射能が入った作物を作り続けること自体、根本矛盾を含む大きな問題を抱えます。全国の遊休農地を利用して農家の移住なども真剣に考えないといけません。今のままならば、健康被害を前提に居住し続けるという描像になります。まさに原子力ロビーの望む姿です。

チェルノブイリでは住むことも生産することも禁止されている5ミリシーベルト/年間(初期土壌汚染を基準にする)以上の汚染レベルに日本では100万人規模の住民が生活を営むのです。最低限の要求として移住の権利を認めることが肝要です。

法律どおり1ミリシーベルト/年の規準で住民を保護させるべきです。ちなみにチェルノブイリの住民保護は1ミリシーベルト/年を基準としているのです。
食料流通基準:100ベクレル/kgは健康維持には巨大過ぎます。健康維持のためには1ベクレル/kg以下の規準が必要と思われます。
放射能汚染物質再利用基準を8000ベクレル/kgから法律上の100ベクレル/kgに戻すべきです。

強汚染地内の生産が全国の被曝を加速させている厳しい現状があります。この問題をどう解決すべきか?土地を守る人々の命をどう守るか?オリンピックの予算が有れば十分できます。リニア新幹線の予算が有れば十分できます。オスプレイを買う予算が有れば十分できます。

(5)最低限の要求
(医療の保障)住民の健康被害を救済し、予防医学的観点から医療費無料化、予防検診、保養の制度化、など諸措置を講じらせるべきです。

(原子力緊急事態宣言)原子力緊急事態宣言下で住民・環境保護装置(法律)の全てが破棄されています。原子力緊急事態宣言を住民の保護に転じなければなりません。これが国のなすべき事柄です。さらに、今すぐ石棺などで炉心を封じ込めることが地球環境保全のためにも必要です。

(人格権と正確な情報提供)福島県などの「復興」政策は明確に人権を破壊する「帰還政策」などを含みます。放射能を避ける自由、非汚染食品を選ぶ自由、居住地を選ぶ自由などを国が保障すべし。命を守ることを合言葉にして自由に発言できる環境を整えることが肝要です。風評被害、食べて応援などの権力用語を用い自ら支配されてはなりません。国には事実に基づいて正確な情報を提供しなければならないことを強く訴えましょう。市民同士は本質を突き止め、事実に基づく議論ができるようにいたしましょう。

(国際原発推進機構)IAEA、ICRPなどの核維持勢力の「命を軽んじる功利主義」を徹底的に批判し、その支配から脱却するのに力を注ぐべきです。

「一人一人が大切にされる」という民主主義の原理が破壊されるとき、必ず命の軽視が伴います。放射能分野は特にひどい状況です。全ての人に被曝防護を呼びかけます。

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※1https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/
※2https://news.whitefood.co.jp/news/foodmap/7171/
※3http://enenews.com/record-levels-fukushima-radiation-detected-west-coast-massive-plume-stretches-1000-miles-cesium-reaches-11-bqm3-multiple-locations-map
※3http://www.asyura2.com/15/genpatu44/msg/461.html
※4http://www.stat.go.jp/data/jinsui/pdf/201403.pdf
※5厚労省人口動態統計月報http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai14/dl/gaikyou26.pdf
※5http://okinawahinansha.wixsite.com/houshanou-kougai/editorial-statement-4
※6http://www.nanbyou.or.jp/entry/1356
※7http://okinawahinansha.wixsite.com/houshanou-kougai/topics-1
※8http://okinawahinansha.wixsite.com/houshanou-kougai
※ahttp://imagic.qee.jp/kairyuu.gif
※bhttp://www.asrltd.com/japan/plume.php
※chttp://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/obs/knowledge/circulation.html

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