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 公開日:2017年10月15日 

沖縄県高江でアメリカ軍ヘリが炎上事故→ストロンチウムが飛散か?

質問(質問者:沖縄県/20代/主婦)
沖縄県東村の高江で米軍ヘリが民有地に不時着して火事になったとニュースで知りました。そのヘリに放射性物質が使われていたと聞き心配しています。沖縄防衛局が言うように周辺環境への影響は心配ないと考えて大丈夫でしょうか。

回答(回答者:矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授)
矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授

2017年10月11日17時15分、沖縄県の普天間基地に所属するアメリカ軍海兵隊の大型輸送ヘリコプター「CH53」が海上での飛行訓練中にエンジンの1つから火災が発生し、沖縄県東村の高江地区の民間の牧草地に緊急着陸し、その後炎上し大破した。※1
大型輸送ヘリコプター「CH53」の炎上事故の画像

この大型輸送ヘリコプターCH-53の回転翼の根本付近に安全監視システム(IBIS)があり、1回転翼ごとに500マイクロキューリーの放射性ストロンチウムが搭載されている。※2
大型輸送ヘリコプターCH-53の回転翼の根本付近ある安全監視システム(IBIS)の画像
2004年沖縄国際大学の米軍ヘリ墜落事故の際には1個のIBISが炎上したが、今回2017年高江の米軍ヘリ炎上事故は7個全部のIBISが炎上した可能性がある。

IBISの1個に使われているストロンチウム90の放射線放出量は1850万ベクレル(500マイクロキューリー)。すなわち毎秒1850万発のベータ線を発射する。

在沖アメリカ海兵隊はすべての放射性物質を回収したと主張している。※3

在沖米海兵隊
「復旧チームが全ての放射性材料を、適切に安全に取り除くことができた。事故現場では、すでに全ての放射性の危険は取り除かれた」
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しかし写真から見るとすべてのIBISが回収される前に過熱されたとみるべきであるが、ストロンチウム90がどの程度炎上したか?詳細な発表は、ない。
炎上した大型輸送ヘリコプター「CH53」の安全監視システム(IBIS)があった回転翼の根本付近は真っ黒に焼け焦げている

私は2017年10月14日、ストロンチウムが燃え上がって風下に拡散した可能性を確認するため炎上事故現場の約430メートル風下の牧草地においてベータ線の確認を行った。ところが放射線測定器が突然作動しなくなり、データー未完で発表いたしましたが2017年10月16日に新しい放射線測定器(TGS-146B)を入手し測定を完結することができました。
沖縄県東村高江地区のヘリ炎上事故現場と放射線測定地点

科学的なことを言いますと、ストロンチウムがベータ崩壊をして0.53MeV(メガエレクトロンボルト)のベータ線を放出し、その結果、変化した核種イットリウムからは2.3メガエレクトロンボルトのベータ線が放出される。

簡便なサーベイメーターはガイガーミューラー管とシンチレーション管が知られているが、ガイガーミューラー管がベータ線とガンマ線を測定することができ、シンチレーション管は、ガンマ線だけを測定することができる。

ガンマ線 ベータ線
ガイガーミューラー管
シンチレーション管 ×

私はガイガーミューラー管を使ってベータ線だけを抽出することを試みた。事故後の今の状態は飛散したストロンチウムが土壌表面に分散していると判断し、まず地上3センチのところで測定をおこない、次にストロンチウム90のベータ線が届かない地上2.5メートルの高さで測定を行った。

前者にはベータ線とガンマ線の合計が測定でき、後者にはガンマ線のみが測定される。したがって前者の測定結果から後者の測定結果を差し引くとベータ線の強度が求められる。ちなみにシンチレーション管で同時測定をおこない、2.5メートルの高さでは約3パーセントのガンマ線が減少していることを確認しております。

測定には偶然誤差と系統的誤差の両方があり、それを統計的に処理するために合計26個の測定を行い、偶然誤差の入っているデータを取り除くため大きい方から8個、小さい方から8個除去し、残る中間領域10個から平均値を求めた。

事故現場の約430メートル風下の牧草地と農道、そして事故現場化から1.6キロ、風により煙が運ばれることのない高江小学校において図中の丸印で測定をおこなった。
沖縄県東村高江地区のヘリ炎上事故現場と放射線測定地点

高江小学校校庭・芝生上(事故現場風上)
地上 (1)3cm (2)2.5m (1)-(2) β線/全体
放射線 β+γ線 γ線 β線
真中 82.1 74.6 7.5 8.8
プール側1 67.8 46.2 21.6 31.9
プール側2 77.9 59.2 18.7 24.0
校舎側 56.6 38.4 18.2 32.2
平均値 71.1 54.6 16.5 24.2
事故現場より300m風下の牧草地と農道
地上 (1)3cm (2)2.5m (1)-(2) β線/全体
放射線 β+γ線 γ線 β線
牧草地1 86.8 65.8 21.0 24.2
牧草地2 87.5 41.5 46.0 52.6
農道1 93.8 57.2 36.6 39.0
農道2 61.0 44.9 16.1 26.4
平均値 82.5 52.4 29.9 35.6

測定からベータ線とガンマ線をそれぞれ定量でき、ベータは風下が高く、ガンマ線は高江小学校も風下も同レベルであった。風下においてベータ線が高まっているのが特徴である。

これらの放射線の強さは自然放射線レベルの範囲であるが、風下地域のベータ線過剰はストロンチウムの影響を否定できない。

同時に事故の煙の影響を受けない事故現場の1.6キロメートル先にある高江小学校は安全であることが浮かび上がる。生徒さん達や先生方にこの結果を早速お届けすることができた。

■調査結果の詳細
測定値の特徴(それぞれの数値表をご覧ください)
(1)高江小学校と風下300m地点でガンマ線は同レベル⇒ガンマ線発信放射能については差異が無い。
(2)ベータ線は高江小学校の方が風下300mより低い⇒ベータ線放出放射能は風下が高い。
(3)全体(ベータ線+ガンマ線)は、ベータ線の差程度に高江小学校の方が低い。
(4)風下地域の牧草地と農道は同レベルであるが、平均として農道の方が少し低い。ここでは肥料としてのカリウム放射能は無視できるかどうか微妙であった(カリウムはガンマ線もベータ線も放出する)。農道と牧草地の間には側溝があり農道へ牧草地からの水が流れる出ることは無い。

■ベータ線の強度比較
測定値の特徴から判断して、高江小学校がストロンチウム90に汚染されていないと仮定し、風下地域がストロンチウムに汚染されていると仮定することが可能なデータが得られた。

すなわち、高江小学校と風下430メートル地点は地質的に同一と仮定し、高江小学校は自然放射線のベータ線があり、風下地域ではストロンチウム+自然の放射能のベータ線があると仮定すると、風下地域のストロンチウム90の影響が高江小学校を参照にすることにより特定できる。ただし風下測定点の牧草地はカリウムの影響を受ける。全放射線に対するベータ線の割合と測定値の両者から判断する。

■ベータ線量とその差
(風下地点測定値から高江小学校測定値を差し引く)

(1)牧草地+農道
牧草地は肥料のカリウムの影響があるかもしれない。
ベータ線の割合は、高江小学校の平均が24.2%、風下点が35.6%であり(下記のように農道だけの測定値は平均が32.7%である)、ベータ線の全放射線に占める割合は明瞭に高江小学校が低い。
その差は①11.4ポイント(丸めて11ポイント)。
この割合が大きな意味を持つ。

ベータ線の絶対量を比較すると、 
②29.9-16.5=13.4(計測面に1分間に入る放射線の数が13.4(cpm))。丸めて13cpm。
この値は高江小学校で得られたベータ線の強度絶対値と同程度であり十分意味のある「差」である。

(2)農道
風下地点で牧草地と農道のベータ線の差が平均として7.2cpmある。この差をカリウムの有無と判断して:農道にはカリウムの影響がないとして(地上3㎝を土台測定にしているのでこの過程は十分成り立つ):高江小学校と風下地点農道とを比較する。 農道は側溝により隔てられ牧草地からの排水などを被る状態ではない。

まず放射線全量測定値に対する
ベータ線の割合の比較は、農道の平均が32.7%であるから、①割合の差は8.5ポイントである(丸めて9ポイント)。
ベータ線測定値の差を取れば、②9.9cpmとなる(丸めて10cpm)。
農道のベータ線測定値の高い方は高江小学校の全測定値を上回るものであり、小さい方は高江小の平均値と同レベルである。
両者の測定値は、割合の差と測定値の両者をにらんで、ベータ線強度に差が認められる。

■ベータ線の強度の差を土壌汚染へ換算
ストロンチウム90としてベータ線の差(13.6cpm)を計算すれば、1m2あたり483Bq/m2、60億9千万原子 (6.18*109個)、90 ピコグラム(91*10-12グラム)
化学分析をするとしても精度の良い計測をしないと検出は難しい量である。

■測定の位置づけ
自然放射レベルの範囲内でベータ線量の差が測定的に検出されたことは評価に値する。測定精度は十分といえない。

測定精度から、この値をどのように解釈できるかというと、数値そのものではなく、桁数を理解してほしい。すなわち、50Bq/m2程度でもなく、
5000Bq/m2程度でもなく、
500Bq/m2程度なのだ、という受け止め方をしていただきたい。
差は微量である。

結論
(1)バックグラウンド(高江小の値)を差っ引いた風下地域のベータ線強度は 
10cpm(農道)~13cpm(農道+牧草地)、 
β線の全放射線に対する割合の差は9ポイント(農道)~11ポイント(農道+牧草地)、
それぞれ 風下地域が高いという結果を得た。 
事故機からのストロンチウム90に由来する可能性があると判断できる。
自然放射線と見做されてしまうような範囲内での差が検出できたことは評価に値する。
(2)高江小学校は「ストロンチウムを被っていない」という仮定の成り立つデータが得られた。
高江小学校で「事故後授業を行うことは事故前と同じく安全である」という結論を下すことができる。(現時点での最新の考察)

■結果の考察
10月18日(水)に沖縄県と沖縄防衛局は合同の記者会見を行い、放射線に関して「対象地点と比較して異常な値は検出されなかった」として安全宣言を行った。

果たしてそれでよいか?

防衛局および沖縄県が実施している放射線測定方式は、時定数3秒で最大の振れを記録するという方法であると発表された。得られる数値は分析的に用いることには向いていない。なぜなら誤差には系統的誤差と偶然誤差、その他があり、系統的誤差は平均値で代表される振る舞いをするが、偶然誤差は突発的な乱れであり物理的に意味のない乱れを含む。最高値の記録は偶然誤差を強く含むものである。汚染のレベルの大きさを知ることには意味があるかもしれないが、定量的に他と比較することには堪えない測定方法である。

現時点で「通常の自然放射線レベルだから安全」と言って良いのだろうか。

沖国大事故の時には、壁の下で機体が炎上し、壁に「すす」が付着するという「汚染の集中場所」があり、降雨後、壁の下にはっきりと強い放射能汚染が確認された。

今回の事故では燃え上がったストロンチウムの量は沖国大事故を上回る可能性がある一方、沖国大と異なって、汚染の集中場所は無く、広い範囲に薄く飛散している。たとえストロンチウムが飛散しても、放射線強度は普通の自然放射線レベル以下で、それに隠されてしまう可能性が大である。

まさに私の測定(10月16日)結果がそれを強く物語っている。

事故の煙を受けなかった高江小学校(事故現場から北北東1.6km)と農道および牧草地(風下西へ430m)を測定した。

放射線のガンマ線強度とベータ線強度の区分に成功し、自然放射能レベルの放射線強度の中、ガンマ線成分とベータ線成分を相互に比較できた。

ガンマ線成分は風下地域と煙を受けなかった高江小学校地点でほぼ等しいのであるが、ベータ線に関しては風下地域が過剰となっていて、風下にはストロンチウム分布の可能性を示唆する。

逆に高江小学校は心配ないことを示唆する。

調査が完璧であるとは言い難いが、少なくともストロンチウムが飛散した可能性を強く示唆している。

通常放射線レベルであることは外部被ばく論者は安全であるという。微粒子による内部被ばくの電離現象の局所への集中=放射線エネルギーの局所的集中の危険を無視しているからだ。煙とともに放出された不溶性微粒子を吸い込んだりした場合の内部被曝は、たった1粒といえども軽視することは人命軽視に通じる。

自然放射能と異なり、ストロンチウムを含む微粒子は強く警戒しなければならない。

米軍事故が起きた時にはどんな放射能や化学物質が飛散するかもわからない。
県民の方、特に風下地域の方に訴える。事故時には、
【1】家にいてください。換気扇を回さないでください。
【2】外出時はマスクをしてください。雨を浴びないでください。合羽を着てください。
【3】洗濯物は外に干さないでください。

放射能問題には常に風評被害が付きまとう。基地問題特有の泣き寝入りの構造はさらに住民を苦しめる。これに有無を言わさぬ軍隊と権力の横暴が加わる。

住民を、誰が、どう、保護するのか?加害者目線はお断りだ。

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※1報道ステーション2017年10月12日放送
※2http://www.navair.navy.mil/index.cfm?fuseaction=home.download&key=AD8FFC4F-C0CD-4B7A-BD4D-40CE61273AA9
※3https://ryukyushimpo.jp/news/entry-593799.html
※4https://ryukyushimpo.jp/news/entry-593873.html

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