※2017年9月3日に北朝鮮がおこなった6回目の核実験の情報まとめは、このリンクをクリック→北朝鮮が6回目の核実験→地図と場所+日本の影響スピーディは?SPEEDI

2016年9月9日に核実験が行われた北朝鮮の北東部にある咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ) の地図

■スピーディによる放射能拡散予測

まず本日2016年9月9日に北朝鮮が実施した核実験は地下核実験と考えられています。ですから通常は大気中に放射性物質が放出されることは考えられません。しかし地下核実験なら絶対に大気中に放射性物質が放出されることはないか?と聞かれれば答えは「No!」です。

数々のミスや想定外が重なれば大気中に放射性物質が放出されることもあります。だからこそ日本はじめとする各国政府が必死に放射能の測定(モニタリング)体制を強化しているわけです。

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そう前置きした上で原子力規制庁が公表したWSPEEDI-Ⅱによる放射能拡散予測の最新版(2016年9月10日午前9時~13日18時まで)を見てみましょう。WSPEEDI-Ⅱで公表されたデータの中からヨウ素131の地表面をピックアップし見やすいように私のほうでgif動画に編集しました。※4

北朝鮮の核実験実施を想定したWSPEEDI-Ⅱによる放射能拡散予測地図2016年9月9日~2016年9月13日分

万が一、放射性物質が放出された場合に日本のどの都道府県に飛来するのか?がわかります。しかし飛来しないとされた都道府県にお住いの皆さんも油断はせず情報収集と自衛措置を続けてください。

日本にお住いの皆さん…念のため雨に直接、当たらないで下さい。そのために傘や雨がっぱを使いましょう。外出の際はマスクするのも忘れずに。もちろん不要な外出は控え、テレビやインターネットを使って情報収集を続けて下さい。

もし、まだヨウ素剤を持っていないなら…放射性ヨウ素の被曝対策として購入しておいても良いかもしれません。私は自宅、そして仕事で持ち歩くバックの中にヨウ素剤を入れて24時間いつも手元にあります。

通販 品名
amazon ヨウ素剤
楽天市場 ヨウ素剤

※現時点では、この核実験による放射性物質の日本への飛来はありませんのでヨウ素剤を飲む必要は、一切ありません。

災害時に必要な物が自宅にすべてあるか?不安な方は生死を分ける災害備蓄品リストもご覧下さい。

■北朝鮮の核実験の時系列

日本時間の2016年9月9日午前9時29分頃、北朝鮮の北東部にある咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ) を震源とするマグニチュード5.3の地震がありました。地震の深さ0キロメートルです。※1

豊渓里(プンゲリ) は、北朝鮮でただ1つの核実験場がある場所です。
北朝鮮の核実験場である豊渓里(プンゲリ)の地図

この地震について韓国の連合ニュースやKBS(韓国放送公社)は、韓国の政府消息筋の話として北朝鮮が核実験をおこなった可能性が大きい。今回の核実験の威力は10キロトン程度で前回2016年1月6日の核実験(6~9キロトン)よりも威力が大きい。北朝鮮がおこなった核実験では過去最大規模。原爆と水爆の中間にあたるブースト型原爆の可能性が高いと報道しています。※2

北朝鮮はまだ公式発表をしていませんが、もし今回の揺れが核実験であれば…北朝鮮は5回目の核実験をおこなったことになります。

今日は北朝鮮の68回目の建国記念日です。今までの北朝鮮の核実験のパターンで考えれば本日2016年9月9日のお昼の12時30分頃に北朝鮮の国営放送である朝鮮中央テレビが臨時ニュースとして核実験をおこなった旨を表明するはずです。

【2016年9月9日18時00分追記】
2016年9月9日13時30分、北朝鮮の国営放送である朝鮮中央テレビは5回目の核実験を行ったことを発表しました。声明内容の抜粋は以下です。※5
北朝鮮核兵器研究所の声明を読み上げるアナウンサー

北朝鮮核兵器研究所の声明
「核兵器研究所の科学者、技術者が北部の核試験場で新たに研究製作した核弾頭の威力判定のための核爆発試験を断行した。今回の核実験の結果、軍の砲兵部隊に装備された弾道ミサイルに核弾頭を搭載できるように標準化、規格化された核弾頭の構造と動作、特性、性能と威力を最終的に確認した。爆発威力と核物質利用係数などの測定値が計算値と一致することが確証されており今回の試験では、放射性物質の漏出現象は全くなく、周囲の生態環境にどんな否定的な影響も与えなかったことが確認された

【2016年9月11日6時02分追記】
北朝鮮は今回の5回目の核実験で放射性物質の漏出現象は全くないと強調しています。しかし韓国の脱北者支援団体が地下核実験場のある豊渓里(プンゲリ)周辺からの脱北者17人から話を聞いた結果、原因不明の頭痛や視力の低下、不眠を経験していたり。他にも韓国政府の洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官は2016年8月29日に「豊渓里(プンゲリ)周辺の地域住民の相当数ががんや心臓病、感覚器の異常や足の麻痺を訴えている」と語ったと韓国のKBSテレビが報道しています。※6
洪容杓(ホン・ヨンピョ)統一部長官
ですから北朝鮮の語った今回の5回目の核実験で放射性物質の漏出現象は全くないが…もし本当だったとしても今までに散々、放射能漏れを起こしていた可能性があるわけです。

当サイトが核実験のたびに日本周辺の放射能の測定データをまとめ続けているのも、もし放射能漏れを起こしていたとしても、放射能漏れを起こした側がその事実を素直に認めることのほうが稀だからです。そして放射能漏れが分かった時には、すでに手遅れだったりするからです、福島原発事故のときのようにです。

■地図で場所を確認

核実験のおこなわれた北朝鮮の咸鏡北道吉州郡の豊渓里(プンゲリ) の地図

地図の真ん中の…やや右上にある×が核実験が行われた場所…豊渓里(プンゲリ)です。

■原子力規制庁の発表した調査結果

調査結果の概要と核実験の日本への影響
調査方法 発表日 調査結果
空間線量率 9月12日 影響○なし
大気浮遊じん高空 9月12日 影響○なし
大気浮遊じん地上 9月12日 影響○なし
降下物 9月12日 影響○なし
キセノン地上 調査未定 調査未定

2016年9月12日、原子力規制庁は47都道府県にあるモニタリングポストによる空間線量率の測定結果(2016年9月9日8時~9月12日12時)に特別な変化は見られなかったと発表しました。※4

2016年9月12日、防衛省航空機による高空の大気浮遊じん(2016年9月9日~9月11日採取分)の核種分析調査結果は人工放射性核種は検出されませんでした。※4

2016年9月12日、47都道府県の地上の大気浮遊じんの採取(2016年9月9日12時頃~9月11日9時)を行い核種分析を実施した結果は人工放射性核種は検出されませんでした。※4

2016年9月12日、47都道府県の降下物(降水を含む)の採取(9月9日12時頃~9月11日15時)を行い核種分析を実施した結果は人工放射性核種は検出されなかった。※4

防衛省は下記の画像のように、各地の自衛隊の駐屯地からT-4中等練習機を発進させ核実験によって発生した可能性のある大気中の放射性物質の有無を測定・調査しています。
核実験を受けて放射性物質の測定調査のため飛び立つT4練習機

■今後の日本周辺の風向予報

今後の風予測(上空)も日本政府がスピーディ(SPEEDI拡散動画)を発表するまでの間の分を掲載しておきます。下記の風向予報は3時間ごとで、最初が2016年9月9日6:00つまり北朝鮮が水爆実験をする2時間半、次が2016年9月9日9:00ですから北朝鮮が水爆実験をした30分後と続いていき2016年9月10日9:00で終了します。なお見やすいように私のほうでループ再生にgif動画を編集しました。※3
2016年9月9日6:00~2016年9月10日9:00
日本、韓国、北朝鮮のの風向き予測(2016年9月9日6:00~2016年9月10日9:00)

※1http://www3.nhk.or.jp/news/live/?utm_int=all_contents_tv-news_live
※2http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160909/k10010677481000.html?utm_int=all_contents_just-in_001
※http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3342785&ref=H
※3http://weather.yahoo.co.jp/weather/wind/?c=g1&m=sky
※4http://www.nsr.go.jp/activity/monitoring/monitoring5.html
※5http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3342860
※6http://news.kbs.co.kr/news/view.do?ncd=3343392

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