2015年8月31日に☀公表された最新の福島県民調査報告書によると福島県の小児甲状腺がん及び疑いの子供達は3か月前…前回の126人から11人増えて合計137人になりました。福島県の発表は甲状腺がんを悪性…悪性とはがんの・・・
チェルノブイリと福島→甲状腺がんグラフの比較
まずチェルノブイリの甲状腺がんのグラフはこちらです。
このグラフはチェルノブイリのなかでも…高濃度の放射能汚染地帯であるベラルーシ共和国の甲状腺がんの増加の推移を記録したグラフです。※1
■チェルノブイリと福島県の甲状腺がん
なおグラフでは詳細な数字の推移は比較ができませんので、チェルノブイリ原発事故と福島原発事故を比較する為100万人あたりに何人発病したか?を一覧表にしたのが下記となります(【緊急特集】福島県の子供の甲状腺がん患者数など→最新情報まとめより)。
日本でよく言われる100万人あたり何人が小児甲状腺がんになるか?という形で統一し、さらに原発事故後何年で甲状腺がんが増えるか?が一目で分かるように1年ごとの年表にして、今回の福島県の調査結果と共に一覧表にしてみました。
情報源は、日本は国立がん研究センターがん対策情報センター※2、ベラルーシは長崎大学…これは山下俊一福島県立医科大学副学長が作成した資料で上のグラフの元になっているもの※3です。福島県は県民健康管理調査の検討委員会資料※4です。
このように元々3つの資料はバラバラですので甲状腺癌の定義に微妙に違いがあります。
日本は実測を元にした推定罹患数(りかんすう、新たにガンと診断された数)、ベラルーシは小児甲状腺がんの手術件数、福島県は小児甲状腺がん及びガンの疑いの数です。
この一覧表における小児の年齢の定義は、日本は0~19歳まで。ベラルーシだけは2つ列がありますが左は0~14歳、右は15~18歳です。福島県は、2011年3月11日時点で概ね18歳以下だった者です。
その他の違いについてはそれぞれの論文・資料・グラフをご覧下さい。
チェルノブイリ原発事故 | 福島原発事故 | |||
原発事故から | 日本 | ベラルーシ | 福島県 | |
0-14歳 | 15-18歳 | |||
0年 | 0人 | 0人 | 3人 | 334人 |
1年 | 0人 | 1人 | 8人 | 401人 |
2年 | 1人 | 3人 | 3人 | 329人 |
3年 | 1人 | 2人 | 2人 | 49人 |
4年 | 2人 | 12人 | 6人 | |
5年 | 2人 | 23人 | 14人 | |
6年 | 3人 | 29人 | 10人 | |
7年 | 2人 | 34人 | 29人 | |
8年 | 2人 | 35人 | 32人 | |
9年 | 1人 | 40人 | 38人 | |
10年 | 1人 | 38人 | 30人 | |
11年 | 1人 | 31人 | 42人 | |
12年 | 2人 | 26人 | 56人 | |
13年 | 2人 | 25人 | 66人 | |
14年 | 2人 | 17人 | 95人 | |
15年 | 2人 | 7人 | 113人 | |
16年 | 2人 | 0人 | 97人 |
チェルノブイリ原発事故後も、日本の小児甲状腺癌患者数は100万人中0人~3人で安定して推移しています。これに対してベラルーシの推移は0-14歳は原発事故後4年後から100万人中12人、15-18歳は原発事故後5年後から100万人中14人と推移し、そのまま爆発的な上昇を続けています。
このチェルノブイリ原発事故当時の日本とベラルーシと比較することで、今回の福島県の小児甲状腺がん患者数がいかに異常な数値か…推移か…はっきりしました。福島原発事故のあった2011年に100万人中334人、1年後には100万人中401人、2年後も100万人中329人、3年後はまだ検査結果の27%しか確定していません(2014年10月31日現在)がベラルーシと同程度の100万人中49人となっています。
■チェルノブイリの甲状腺がん年齢別リスク
山下俊一長崎大学副学長が作成したベラルーシのなかでも放射能汚染が酷いゴメリ州の小児甲状腺がん患者の資料※5を見やすいように癌の発病レベルの変化に合わせ色分けしてみました(チェルノブイリ原発事故から学ぶ子供の甲状腺がん→山下俊一まとめより)。グラフ化も考えましたが、やはり一覧表のほうがグラフより詳細に比較できますのでグラフにしませんでした。
↓縦軸は原発事故時に何歳だったか?
→横軸は原発事故から何年後にがん登録されたか?
見やすいように私のほうで四色に色分けしてあります。原発事故が起きる前の-1年と原発事故が起こった0年は、0歳~17歳の全年齢でがん登録は1年に1人だけですから平常ということですべての年齢を■青。
9歳以下は甲状腺がん増加前の事故後1年~3年は■緑色に、甲状腺がん増加後の4年以降は■赤に。
10歳以上は1年後から甲状腺がんが増え始めていますので■黄色に染めました。
放射能が未来あるこれらのチェルノブイリの子供達に何をもたらしたのか?考えると、原発事故さえ、放射能さえなければ…と思わざるをえません。
残念ですが日本でも原発事故という…放射能汚染という…パンドラの箱は開いてしまいました。
日本人と放射能との本格的は戦いは、まだ始まったばかりです。
※1http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/abdi/publicity/radioactivity_qa.html
※2http://ganjoho.jp/professional/statistics/statistics.html
※3http://www-sdc.med.nagasaki-u.ac.jp/coe/jp/activities/elearning/lecture/02-02.html
※3http://depts.washington.edu/epidem/Epi591/Spr09/Chernobyl%20Forum%20Article%20Cardis%20et%20al-1.pdf※リンク切れ
※4https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/96850.pdf
※4https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/96851.pdf
※5http://www.aec.go.jp/jicst/NC/tyoki/bunka5/siryo5/siryo42.htm
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