今回は☀プルトニウムやウランが飛散する事故となった日本原子力研究開発機構の大洗研究開発センターでの放射性物質漏えい事故をピックアップします。まず日本原子力研究開発機構の発表によると、放射能汚染は事故現場となった燃料研究棟(PFRF)の108号室・・・
【放射能汚染の真実】関東-茨城県は?
福島原発による放射能汚染の真実に迫ってみようと思います。
実は今回はあえて福島県ではなく、福島のすぐ南の隣県、茨城県。北関東の茨城県をピックアップしてみます。そうすることで改めて見えてくるものがあるからです。
まず放射能汚染と言った場合、今も計測できる放射能汚染と、今ではもう計測できない放射能汚染とがあります。
具体的には半減期の違いに由来します。(なぜ放射性ヨウ素汚染地図が必要?より)
半減期とは、放射性物質が半分に減るまでの時間です。
例えば代表的な核種であるヨウ素131とセシウム137は下記です。
ヨウ素131 | セシウム137 | |
半減期 | 8日 | 30年 |
■今も計測できる放射能汚染
放射性セシウム137の半減期は30年であり今も計測できる放射能汚染です。良くも悪くも30年は半減しません。それでこんな立派なセシウム汚染地図を文部科学省が作れるわけです。
しかし、あなたが関東にお住いで、もしこの地図を見て自分の住んでいる自宅周辺は低そうだから安心…と思って何もしなかったとすれば後で後悔することになるかもしれません。
と、いうのは関東には茨城県日立市や千葉県柏市などホットスポットが多数存在しており、実際に自分の生活圏内を放射線測定器で測ってみないとわからないのが真実だからです。
さらに日本における内部被曝の第一人者、矢ヶ崎克馬琉球大学名誉教授が講演会などでよく話されることですが、上のセシウム汚染地図は航空モニタリングを元にしています。航空モニタリングの場合、鉄筋とコンクリートとアスファルトに覆われた大都市ほど放射線が遮蔽されてしまい地表面の正確な放射線量を測ることができない。ですから…この地図は目安にはなったとしても、信仰の対象にはならないということです。
やはり実際に放射線測定器で測ってみないと放射能汚染の真実はわからないのです。
そして今も放射線測定器で測ることができますからこのセシウムの放射能汚染は、放射線測定器で把握し、表土を剥がしたり、高圧洗浄機で洗う、機械を使ってコンクリートの表面を削るなどの除染によって一定程度は放射線量を軽減することが出来ます。
ただし、放射線が近隣の山や隣近所から来ている場合には、2割~3割しか下がらないケースもあるようです。このことも放射能汚染の厳しい真実…というか現実かもしれません。
■今はもう計測できない放射能汚染
半減期とは、放射性物質が半分に減るまでの時間でした。放射性ヨウ素131の場合半減期は8日です。
ヨウ素131 | セシウム137 | |
半減期 | 8日 | 30年 |
つまり放射性ヨウ素は半減期が8日と短かったため8日で1/2、16日で1/4に、24日で1/8に、32日で1/16…という具合に短期間で半減を繰り返し、今ではではもう計測できない放射能汚染となります。
しかし計測は不可能になってしまったにもかかわらず…福島原発事故当時の放射性ヨウ素の放射能汚染地図の真実を求め、研究する学者や機関や大学は後を絶たちません。
なぜなのでしょうか?
それはチェルノブイリ原発事故でIAEA(国際原子力機関)やWHO(世界保健機関)が唯一認めた健康被害が、子ども達の甲状腺がんであり、その原因と考えられるのが放射性ヨウ素131だからです。
そして福島原発事故においても福島県民健康調査の結果、見つかった子ども達の小児甲状腺がんについてヨウ素131が原因ではないか?と疑われています。(※【緊急特集】福島県の子供の甲状腺がん患者数など→最新情報まとめより)
下記の福島県の地図は、その消えてしまった放射性ヨウ素の真実を復元しようとしたものです。その中に一部、北関東…というか茨城県のデータもありますので、その部分をピックアップして見ていきましょう。
■2013年7月1日公表(日本原子力研究開発機構)
この地図は福島原発事故から2年以上たった2013年7月1日に発表されました。この地図は半減期の8日と短いため今ではきれいさっぱり消えてしまったヨウ素131の代わりに、半減期1570万年のヨウ素129を調べ、穴だらけのヨウ素131汚染地図をできるだけ埋めようというものです。なお、この汚染地図は2011年6月14日時点の放射性ヨウ素の汚染の真実を現わしています。(幻の放射性ヨウ素汚染地図-福島県版まとめより関東部分のみを抜粋)
四角■がヨウ素129の調査から推定され追加された箇所です。この調査のおかげで福島原発×から左上と真下へ向かう放射性ヨウ素の赤い汚染が、点から線になりました。やはり放射性ヨウ素は北西、そして南への2方向の流れがあったようです。さらに、この地図の最大の特徴は、茨城県の北部の調査も行われている点です。北茨城市に緑色の■が1箇所あり1000~2000ベクレル/m2の高濃度の放射性ヨウ素による放射能汚染があった可能性というか真実が見えてきました。
■福島県市町村別放射性ヨウ素推定降下量一覧表
上の放射性ヨウ素汚染地図と一体をなす資料には付録がありまして、その付録の1つに『ヨウ素131の福島県市町村別推定降下量』の資料があるんです。つまり上の地図で■とあるけど具体的に放射能汚染はいくらなの?ということが書いてある一覧表です。数字を比較する場合は地図より一覧表のほうが見やすいのも、また真実ですので一覧表も見てみましょう。なお、この一覧表も2011年6月14日時点の放射性ヨウ素の汚染を現わしています。
なお、上の地図を見ていただくとわかるように同じ市町村に複数の測定地点があり、かつどの測定地点かは公開されていませんので、同一市町村の測定地点のなかで最高値と最低値のみピックアップして一覧表を再構成しました。
例えば天栄村ですと3つの測定地点があり371、391、535Bq/m2ですので最低値は371、最高値は535として2つの測定地点のデータのみ記載しています。
関東では、茨城県の北茨城市、高萩市、日立市の3箇所のデータを福島県の市町村と比較できます。
一覧表のセルの色は、表を見やすくするため地図の色と一部変えました。色と汚染濃度は以下の通りです。
■…5001Bq/m2以上
■…2001~5000Bq/m2
■…1001~2000Bq/m2
■…501~1000Bq/m2
■…201~500Bq/m2
□…40~200Bq/m2
市町村名 | ↓最低値 | ↑最高値 |
双葉町 | 6817 | 28938 |
浪江町 | 139 | 28197 |
富岡町 | 285 | 23048 |
大熊町 | 2532 | 21080 |
川俣町 | 252 | 5153 |
飯館村 | 796 | 4980 |
南相馬市 | 265 | 4305 |
楢葉町 | 562 | 3481 |
川内村 | 118 | 3402 |
田村市 | 92 | 2644 |
福島市 | 343 | 2570 |
いわき市 | 43 | 2414 |
伊達市 | 45 | 2260 |
広野町 | 506 | 1925 |
葛尾村 | 689 | 1584 |
相馬市 | 181 | 1154 |
北茨城市【茨城県】 | 317 | 1134 |
二本松市 | 228 | 1071 |
須賀川市 | 307 | 879 |
本宮市 | 469 | 866 |
高萩市【茨城県】 | 479 | 836 |
郡山市 | 109 | 753 |
白河市 | 144 | 646 |
天栄村 | 371 | 535 |
三春町 | 501 | 501 |
丸森町【宮城県】 | 223 | 460 |
大玉村 | 407 | 407 |
中島村 | 380 | 380 |
日立市【茨城県】 | 370 | 370 |
西郷村 | 225 | 326 |
棚倉町 | 156 | 252 |
古殿町 | 132 | 221 |
平田村 | 182 | 182 |
玉川村 | 158 | 158 |
小野町 | 85 | 145 |
石川町 | 142 | 142 |
鮫川村 | 61 | 114 |
見ていただいてわかる通り、同じ市町村内でも放射性ヨウ素の放射能汚染が低い所と高い所で数字がまったく違う市町村がけっこうあり、浪江町のように200倍以上の差がある所さえあります。これが放射性ヨウ素汚染の厳しい真実というか現実なのです。
※なお関東全域の放射性ヨウ素汚染地図が4枚、幻の放射性ヨウ素汚染地図を復活させる【関東・東京版まとめ】に掲載されています。そちらをご覧下さい。
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